五竜岳

標高:2814M    所在地:長野・富山県境


登山日:2007年10月11〜12日、 晴れのち曇り  歩行時間:13時間20分、単独行

コース: 1日目
   黒菱展望林終点駐車場(5:10)→(6:10)リフト終点→(6:30)公衆トイレ(6:40)
   →(7:00)八方池→(8:20)丸山ケルン→(9:00)唐松岳山荘(9:15)→(9:30)
   唐松岳(9:40)→(9:55)唐松小屋(10:00)→(11:50)五竜山荘(12:20)→
   (1:20)五竜岳山頂(2:00)→(2:50)五竜山荘(泊)
    2日目
   五竜山荘(6:50)→(8:40)唐松山荘→(9:27)丸山ケルン→(10:35)第三ケルン
   →(12:10)林道終点駐車場

昨年、鹿島槍ケ岳に登ったが生憎ガスに覆われて視界が悪く山頂からの展望も望めなかっ
た。その反省に立ってこの五竜行きは天気の良い日を狙った。第一日目は見事快晴になり
秋晴れの中の山歩きを楽しめた。秋の山はやはり素晴らしい。紅葉が楽しめて、遠くの山々
まで見渡すことが出来る。塩見岳に続いて素晴らしい展望を味わえた。

「信州側では、戦国時代この地方が武田信玄の勢力範囲だったので、山の残雪の形が武田
家の紋章の菱に似ている事から、御菱(ごりょう)と呼んだ。それがゴリュウに転訛したとい
う説がある。」と日本百名山(深田久弥著)の本にある。信玄もこの山を見上げて戦いの後
の心を癒していた事だろう。しかし、後年に竜という宛字が付けられたのも、唐松岳から歩
いてみると成る程、とうなずけるようだ。

赤いナナカマドの実

雲海上に顔を出した唐松岳

雲海上の立山連峰

山荘についておにぎり1個とお菓子で
腹ごしらえを済ます。外を見ると少し雲
行きが怪しくなっていた。山頂ではガス
が出ていてそれが山荘近くまで降りて
来ていた。しかし、山の天気は変わリや
すいものと考え、とにかく今日中に山頂
に立っておこうと思いガスの中出かけた。

山頂手前より頂を見る。

  唐松岳から望む五竜岳

五竜岳の姿はここからが一番と
言われているだけに壮大だ。谷か
らせりあがった山容はどっしりとし
た構えだ。

  唐松岳(2696.4M)

後方に見えるのは立山連峰。
中央が剣岳。

五竜岳が大きく姿を見せてくれた。

やがて道は山腹をトラバースするよ
うに進む。唐松山荘に近づくにつれ
て急斜面のトラバースとなり終わると
山荘に出る。

丸山ケルンと火打や妙高の山々

丸山ケルンから見る八方池と
雲海上の雨飾山、火打山、妙高山、
高妻山等の山々。

錦絵に染まった丸山

五竜岳がますます迫ってくる。

八方池と不帰キレットと天狗の頭

さらに周りのやまが一段と迫って
見えてきた。ここからはダケカンバ
の林の中の道を進み、雪渓を左に
見ると間もなく丸山ケルンに着く。

 五竜岳と鹿島槍ケ岳(左奥)

そして左手には、目指す五竜岳、
その奥に昨年登った鹿島槍ケ岳
が雲海の上に現れた。今自分が雲
の上の人となっていることに感動を
覚えた。

  鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳

第3ケルンまで上がると山が一層
よく見え出した。八方尾根の右手に
唐松岳から続く後立山連邦の山々
が青空の中に連なっていた。 

     第2ケルン

第一ケルンからの道は二つに分かれ
ていて尾根道コースと山腹を巻きな
がら登るコースである。二つはここ
で合流する。

   黒菱展望林道駐車場

八方尾根の第一ケルンまでリフトや
ゴンドラを利用しないつもりだったので
この黒菱最3リフト下まで車で林道を走
る。紅葉は既に始まっていた。ここから、
ゲートをくぐって左上に行き、リフトの下
を登っていく。5分もすればリフトの下に
着く。
黒菱林道へは別荘地内に入ると左に分
かれているが、左側に標識があるので注
意して走ると良い。

還暦後の山へ
百名山へ

   山荘への下り、

唐松岳とその奥に鑓ヶ岳や白馬岳の山々

いい事がありました。ガスが次第に
晴れ足元を見るとライチョウがヒョ
コヒョコ歩いているではありません
か。私を恐れている様子もありませ
ん。こっちを向いてくれました。冬支
度に入り羽が半分近く白くなってき
ています。雪が積もれば食べ物も少
なくなり大変だろうなあ。

槍ケ岳

鹿島槍ケ岳とその右奥に
北アルプス槍ケ岳を見る。

      五竜岳山頂で

ガスの晴れ間があり、雲海に浮かぶ
山々の素晴らしい景色を見ることが
出来た。ガスの中諦めずに登ってき
た甲斐があったというもんだ。奥に
みえる山は剣岳。

雲の上に出て初めて見る景色

暗闇の中を登り、リフト終点の第一
ケルン辺りでようやく明るくなって
きた。しかし周りはまだもやの中。
第二ケルン手前に立派な水洗ト
イレがあり、そこでようやく朝の
用を足す。駐車場にはトイレがな
く早朝であればここまで来るしか
ないようだ。

再び赤や黄色に染まった林を歩く

いい景色に出会うとリックを肩から
降ろしカメラを出す。山や花や紅葉
などいい写真が撮れるのも山歩きの
楽しみの一つだ。

さらに登ると展望が開けた。
鑓ヶ岳、杓子岳と白馬岳

  唐松山荘からの唐松岳

山荘前でおにぎり1一つ食べ小休憩。
そしてザックを置いて山頂に向う。

剣  岳

    険しい岩登り

唐松山荘から稜線を少しいくと
いきなり険しい岩稜が待ってい
た。大黒岳を越えるまで2度の
岩登りがある。鎖場になってい
るが岩が濡れているとかなり危
険地帯で要注意。そこを過ぎ
稜線を行くと、やがて白岳の右
手に出る。山荘はすぐ下見える。

       五竜山荘

この時期になると登山者も少なく
なりこの日は8人。私は若者と二人
で1室を与えられゆったりと過ごす
。彼はデザインの仕事をしていて、
遅い夏休暇をとって山に来ていた。
山を始めたばかりだそうで話をし
ていてとても爽やかな若者の印象
を受けた。これからも山登りを楽し
んで欲しいと思う。

鹿島槍ケ岳と五竜岳へと続くキレット

御来迎(ブロッケン現象)

写真を良く見ると中央に
私の姿が弥陀の光背を
負うて来迎しているように
見えているのですが。見
えますでしょう。ガスの中
一休みしていて、ふと谷の
方を見ると現れていたの
です。思わずシャッターを
切りました。何かいいことが
あるのかもしれません。

2日目は朝からガス。昨日の内に山頂に立っておいて本当に良かったと思った。
山荘から下山するまでほとんどガスの中、そして時折雨混じりになる事もあった。八
方池からは観光客で賑わっていた。

下山後、白馬八方温泉に浸かる。昔風の風呂屋のような建物だが、いい湯であった。
500円と安いのも良い。五竜岳が私の50番目の百名山となる。誰もいない露天温泉
の湯に浸かりながらこれまで登った50の山を思い返していた。そして次はどの山に
しようかなと。