空木岳

標高:2864M   所在地:長野県


登山日: 2007年8月28日 曇り、雨   歩行時間:9時間25分  友人と二人

コース: 林道終点駐車場(5:10)→(6:10)池山小屋手前水場(6:30)→(7:05)
    尻無分岐→迷い尾根→(9:24)空木避難小屋分岐(9:30)→(10:00)
    大岩→(11:00)空木岳山頂(11:10)→(12:10)空木避難小屋分岐
    →(2:00)尻無分岐→(2:30)池山小屋手前水場(2:45)→(3:25)駐車場

  林道終点駐車場登山口

古城公園をすぎ更に進んでいくと
最後はかなりの悪路となり、その
終点に12,3台駐車可能な広場
に着く。トイレあり。ここで車中泊。
真夜中、外に出てみると満月がこう
こうと照っていてまるで昼のよう
に明るい。お月さんがこんなに明る
い事を忘れていた。早朝5時過ぎ、小
雨の中を歩きだす。まだ暗い。


池山小屋まではハイキングコースに
なっていて始めは緩やかな遊歩道を
歩く。樹林帯の道が続くが、1度この
ような開けた場所に出る。

      水   場

歩き始めて約1時間で水場に出る。
ここで小休止。雨が止んでいた。池
山へはここで分かれて登る。近くに
小屋あり。

   マセナギ(2080M)

水場からは200Mほど高度を稼ぎ
池山尾根を登ると尻無分岐(1970M)
に着く。空木平に出るまでは更に尾根
を2時間半ばかり登り続けることになる。

         大地獄、小地獄

すぐに険しい道になり、鎖、ロープや鉄梯子の
ある難所地帯が500メートルほど続く。 この
池山尾根には花も多く咲いていて、ホッとさせ
てくれる。 このあたりは迷い尾根と地図にあ
るが心配するほどの事でもなかったようだ。

  空木避難小屋への分岐

空木岳まであと2キロとなる。
この手前辺りから再び雨が降り
出しここでレインウェアーを着る。
水場から樹林帯の中をひた
すら登ること約8キロ、もう少しで
展望が開ける。

       駒  石

樹林帯を抜けハイマツの中を進んで
行くと突然大きな岩が目の前に現れた。
これが駒石なのか?雨交じりと強風の
中、この岩陰で雨風を避けておにぎり
を二つ食べた。気温が下がっていてと
ても寒く手がかじかんだ。

小山ほど大きい岩の塊。
下山時に撮影。

  ハイマツの散歩道

しばらくはこんなハイマツの道を
進んでいたのだが、登りはガスと
雨交じりの強風で顔を上にあげら
れなかった。一番前方に空木岳が
見えている。いい天気であればき
っと気分の良い山歩きであったろ
うに。(下山時に撮影)

 空木岳山頂(2864M)

雨風の中登っていくと急に
駒峰ヒュッテが現れた。山頂
まで100Mとあり、一気に山
頂へ。まだガスは晴れてな
く展望無し。

  駒峰ヒュッテと池山尾根

山頂でしばらく天候の回復を待って
いると、ガスが晴れ辺りが見え始めた。
登って来た池山尾根と少し下に駒峰
ヒュッテが見える。

 甲斐駒ヶ岳と仙丈岳を望む

しかしガスの動きはとても不安定で
晴れ間を狙って写真を撮る。駒ヶ根市
が眼下に見えていた。東側以外はガス
の中。

      空木平

幸い下山時にはガスも晴れていて
遠くまで見通すことが出来た。ハイ
マツと花崗岩のコントラストの美しい
尾根を下る。

山頂と駒峰」ヒュッテ

空木平にはこんな大きな岩が
ところどころにあり、じっと見てい
るとなんかの動物の口に見えて
きた。

空木岳で出会った花

下山時、樹林帯の中に入った頃から再び雨になる。登山口まで降ったり止んだりであった。
山頂では丁度上手い具合にガスが晴れ、下りだすと天気は再び崩れだすというこの不安
定な天候は少し我々に味方してくれていたようで有りがたかった。

下山後、麓にある「コマクサの湯」に入り、山の疲れを癒す。露天風呂では甲斐駒ケ岳と
仙丈岳を眺めながらゆっくりと湯に浸れる。

湯に浸かりながら、「なぜ山に登るのか」などと思いめぐらせていた。最近の私の山行き
はいわゆる百名山狙いになっている。もちろん初めての山に登るのだし、又登る山を決め
る時、山のガイドブックでコースなどを調べていると登ってみたくなるのだから、山歩きを
楽しんでいる事にはかわりがないんだと思う。でも、何か少し以前と違うようだと感じて
しまう。どうしてだろうか?

若いときからの山行きを思い出してみた。学生時代に富士山や白山に登ったけれど、勤め
だして妻と二人で登った立山が山歩きの楽しさを教えてくれたようだ。その後、休みを利
用しては二人でよく山へ行った。9月の立山が素晴らしくて、雄大な山の景色を見せてく
れ、山の良さを実感した事が大きな理由だろうと思う。二人とも仕事を離れ、気分転換の
ため自然と山に向っていたのだろう。辛い登りの後、山頂での爽快感を味わう為に。

40台の後半から単独行が多くなる。責任ある立場の仕事も多くなり、疲れている心身をリ
フレッシュする為にやはり山に向っていた。そして次はどこへ行こうかと山調べをしたりす
る時間が気分転換になっていたようだ。一人で山に入り、何が起きても自己責任となる山
の自然のその厳しさと、素晴らしい景色がわが身を包んでくれる自然の優しさに力をもら
っていたと思う。

では、退職した今はどうだろう。時間が十分ありそれまでと同じような気持ちで山によく
行くようになった。同じ登るなら目標を持ってと考え、百名山を目指すことにした。体力的
にも衰えが出てくる年齢になり、体力維持のため週1で(いろんな事情で出来ない事があ
るが)金剛山とプールで1キロ水泳と自転車で33キロ走行を続けている。山はそれぞれ違
いがあり、初めて登る時にはわくわくする。空木岳で48山となる。今はこの目標達成のた
めに、そして同時に自分の健康維持のために山に向っていると思う。百名山が終わると次
の200名山は目指さない。最後まで達成できるとは思わないから。それよりも今までに登
った山の中で、もう一度行ってみたい山や、何度でも行きたい山でゆっくりと山を楽しみ
たいと思う。

百名山へ
還暦後の山へ