鹿島槍ケ岳・爺ヶ岳
所在地:後立山連峰
標 高: 鹿島槍ケ岳 (2889.1M)、 爺ヶ岳 (2669.8M)、 布引岳 (2683M)
登山日: 2006年8月28~29日 晴れ、山頂はガス 歩行時間約14時間
コース: 扇沢登山口→(2時間54分)→種池山荘→(40分)→爺ヶ岳南峰→(1時間28分)
→冷池山荘(泊)→(1時間37分)→鹿島槍ケ岳山頂→(2時間20分)冷池山荘
→(1時間15分)→爺ヶ岳中峰→(17分)→南峰→(32分)→種池山荘→(2時間)
→ケルン→(1時間)扇沢登山口
後立山連峰は白馬以来である。槍ケ岳の近くに槍の名がつく山があり気になっていた。
しかも北槍と南槍の双耳峰を持っている山。どんな山なのかその姿を見たくなりこの鹿
島槍ヶ岳を選ぶ。又登山道は展望も良く剣や立山の山々の景色も望めるようである。友
人と二人深夜の高速を走らせ早朝3時に扇沢の登山口駐車場に到着。車外に出て夜空を
見上げるとなんと星が出ているではないか。天気予報は曇りで山頂に立つ予定の2日目
は傘マークが出ていたので「まあ雨にあわねば良いが」と言うぐらいの気持ちで出かけ
てきたのである。明日の天気を期待して仮眠する。
柏原新道からの眺め
種池山荘から針ノ木岳への縦走路。
右から鳴沢岳、赤沢岳、スバリ岳、針
ノ木岳、その左が蓮華岳。
登山口から種池山荘までは柏原新道
を登る。この新道は種池と冷池山荘
の経営者である柏原さんにより少しは
大町市からの協力を得たもののほとん
ど個人の力で開削された登山道らしい。
登りながら一人で本当に大変だっただ
ろうなと感謝の気持ちを感じつつ1時間
も登って行くと突然視界が広がる。
針ノ木岳と雲海
曇りとガスの中を出発したが上に来
ると雲の上部に出た。見事な雲海
を目にする。雲海の向こうに針ノ木岳
と大雪渓が見え30数年前に下った時
のことを思い出していた。道は緩やか
な登りとなってくるがこの雲がまるで
我々の後について来る様に上昇してい
る。
種池山荘から見る爺ヶ岳南峰
水平道、石畳などを歩き左手前方
に赤い小屋の種池山荘が見えてくる。
少しきつい登りのあと山荘に出る。今回
の山行きで一番の登りを終え気分が楽
になった。登山道の先に爺ヶ岳がはっき
りと見えていてこれからが気分の良い
山歩きだ。風があり展望あり運が良け
れば雷鳥に出会うかもしれない。
ところが歩き出すとガスが左下から
大きく張り出し瞬く間に爺ヶ岳南峰は
見えなくなる。展望の良い場所なのに
何も見えない。ご覧の通りである
冷乗越と冷池山荘
ガスは時々晴れるが自分の近く
が見えるようになるだけで目標
の鹿島槍ケ岳は一向にその姿を
見せてくれない。晴れていれば
絶景が望めるのだが。山荘から
先は厚い雲で覆われている。爺ヶ
岳の最高峰である中峰をやり過ご
し一気に山荘へと向かう。
山荘前の展望台で
鹿島槍ケ岳が一望できる所で
ビールを飲んで晴れるのを待つ。
神戸の75歳になる単独行の男性
と話す。その人は私より10歳以上
も年上だがとても元気で何時も一人
でこれまで百名山の70峰近く踏破さ
れている。話しを聞いていて元気を
貰ったようである。
布引岳への稜線
翌朝4時過ぎに起き外を見る。真っ
白で何も見えないが強い風は吹い
ていない様子。5時の朝食後しばら
くして山頂に向かうことにする。山
頂までは2時間程度でいずれ天気
も変わるだろうと期待しながらの
出発であった。
雲海の中の稜線
外気温はそんなに低くはなく
10分も経たない内に半袖になる。
しかしガスは越中側からどんどん
上がってきていて容赦なく私の体
に吹きつけ体温をを奪う。両腕が
冷たい。そんな中を展望のないま
ま山頂に着く。
鹿島槍ケ岳山頂
しばらく様子を見るが雲に変化なし
と考え山頂をあとにする。山荘から
の登山道にはお花畑があり随分多くの
高山植物を目にしていたので下りでは
それらの花々をカメラに収めながらゆ
っくり下る。ここには本当に色々な花が
咲いている。紫、赤、黄を中心にある所
では混ざり合って、又あるところでは
同じ花が群生して咲いている。実に見
事な花園といった感じである。花の百名
山に入れてもよい山であろう。
雲海の中の冷池山荘
下山途中冷乗越から振り返るとガス
はこんどは信州側から上がってきてい
た。山の天気はこんなに変わり易いの
だとつくづくく感心する。いやこれが
山の自然の姿なのだと自分に言い聞か
せた。
雷鳥
種池山荘から上のハイマツ帯は雷鳥
が多いとあるが行きはガーガーという
声が聞こえてはいたが出会うことは
なかった。帰りの爺ヶ岳への道で一羽
の雷鳥に出会う。人をあまり恐れる様
子もなく近くによって写真を撮る事が
できた。氷河時代の生き残りの動物の
一つだそうだがそんな時代からこの
辺りに棲息していたのかと考えると
畏敬の念を感じる。
爺ヶ岳中峰(最高峰)
雲の晴れ間に山が少しだけ
顔を見せる事があるが全て
ではない。ここに来るまで猿
の軍団に会った。20匹以上は
いただろう。道にまだ生の松
ポックリがの残りが捨てられて
いた事から猿達が食べにハイマ
ツの所にやってきているようだ。
南峰より中峰を望む
ここでコーヒータイム。コーヒーを
沸かし非常食のお菓子を食べる。
あと少し行けば種池山荘でその後
はダケカンバの樹林帯に入り大
空間を感じながらの山歩きは終わる。
いま少し目の前に広がる宇宙的大
空間を味わいながらのコーヒーブ
レイクとする。
山で出合った花
今回の山行きは山の雄大な景色を見ることは叶わなかったが視線が足元に向き多
くの花を見つけることが出来た。なんとなく感じていた物足りなさの気持ちが高山植
物の美しさで癒されたようだ。
お花畑があるのは冷池山荘から
鹿島槍ケ岳への登山道。扇沢
への道にもいくつか咲いています。
季節が変われば花の種類も違って
くるでしょう。このページの花の名前
の?は自信がないもの、明記無しは
現在調査中です。
マイカー情報:扇沢にはいくつか駐車場あり。大きいのは登山口まで少し歩く事に
なる。登山口のところ3ヶ所あり20台近く駐車可
温泉情報:扇沢大町線45号に少し入った所に公営の温泉「薬師の湯」あり。600円
近くに手打ち蕎麦屋など食事処あり。
チシマギキョウ
コバノコゴメグサ
タカネマツムシソウ
ヤマホタルブクロ
トリカブト
ハクサンフウロ(左)とエゾシオガマ?
クルマユリ
ミヤマダイコンソウ?
イブキトラノオ
アカモノ?
イワカガミ(左)
ミヤマリンドウ
タカネニガナ
サンカヨウ
ミヤマキンポーゲ
ウサギギク
ヤマハハコ