8月の終わりに利尻山の登頂を終え、次は大朝日岳、、月山そして鳥海山と決めていた。 しかし次々
とやってくる台風などでなかなか晴れマークが出なかった。結局出発できたのは9月の終わりとなる。
9月28日、車で大朝日岳の登山口目指して自宅を出る。 この日は山形県の小国街道(113号線)の
関川道の駅で車中泊。 嬉しいことに温泉が併設されていて、早速ひと風呂浴び、運転の疲れを癒す。
翌29日、大江町を経由して、無事古寺鉱泉着。 ここで車中泊。 なかなか眠れずに外に出て夜空
を見上げる。まさに満天の星!しばし見惚れて感動する「こんなにも沢山の星に地球が囲まれているん
だ、真ん中には天の川が」 私にはそれくらいしか分からない。誰か何の星座なのか教えてほしいと思っ
たが、誰も外に出ていない。一時間程夜空を眺めていると、流星を見つける!思わず「登山の無事を祈
る!」
30日早朝、4時40分登山開始。 私は人より登り下りに時間がかかるので早めに出発した。 まだ真
っ暗闇の中の山歩き。 夜が明けると、ブナの樹林帯を歩いていたら、こんな合体の樹に出会う。
下りでは何度も休みながら歩く。 途中世話になった和歌山の人が私を追い越していく。 「あす、月山
で逢いましょう!」 とお礼を言って別れる。下山後半は薬が効いてきたのか、痙攣は一度も起こらなか
った。「ありがとう、太田さん!」
数回の休憩後、16時、無事に下山完了!どうやら私が一番最後のようだった。今回のこの判断は良かっ
たのだったと納得する。
しばらく休憩して次の山、月山に向けて車を走らせる。途中、「大井川温泉」で疲れを癒す。いい湯だっ
た!月山道の駅でラーメンを作り夕食とする。
月山8合目登山口に深夜10時着、そして車中泊。 車中で横になりながら色々と考えが巡る。 「この
年(80歳)であと残りの百名山を踏破できるのか?」などなどを考えているうちに眠ってしまったようだ。
89座目とは成らず、88.9座目?としておこう。
月山につづく。
下りでの山の秋景色
10分後、やや慎重になりながら登り出す。 そして銀玉水まで登って休憩。 山頂が目の前にあり、
山小屋もはっきりと確認できる。しかし痙攣を発症してから登るスピードがかなり遅くなり、「このまま登
山を続けてよいのか?」と自問自答する。下ってくる人に山頂までの時間を聞いてみると「伊時間半く
らいかな。」との事。
多分大目に言っているのだろうと思った。それでも今日の自分の脚では、下りで人一倍の時間がかか
ると分かっているので、それを計算に入れて山頂からの下山時間を考えた。すると、7時ごろになり、暗
くなって今の私には無理と判断する。
あれやこれやと考えた末、「ここで引き返そう。」 と決断する。「ここまで登って来たのにと。」と、とても
辛い気持ちだった。「登山中での体調、そしてとても大切な事。」や気象条件などで登頂を断念するこ
とは勇気のいる事。」と自分に言い聞かせ、「山は逃げない、また来ればいいんだ。」と下り始める。
銀玉水から少し下ったとこからの山頂
山頂が目の前に見えてきた。山頂の手前には山小屋が確認できる。 「さあ、あともう少しだこの調
子なら山頂に建てるぞ。」 と 気合を入れて登り出す。
山頂が見え、良い感じと進んでいくが、150メートルの下りで右脚の太ももにいやな感じがした。 これ
まで何度も経験した痙攣が起こる前触れだ。今回は少し早い、今までは山頂からの下りでよく発症して
いた。 しばらく休んで患部をマッサージしていると、先ほど知り合いになった和歌山の人が登って来た。
私が事情を話すと、急な痙攣によく効く薬るがあると言って差し出され、それを頂く。
朝日連峰の素晴らしい山容、左から小朝日岳、大朝日岳、 まだまだこれからだ。
天気にも恵まれ、大空一杯に青い空が広がる中最高の山歩きが続く。小朝日岳のまき道と山頂経
由の分岐で山頂の小朝日岳を目指す。元気なうちに登っておきたいとの思いでこのコースを選ぶ。
7時50分、登山口を出てから3時間、やっと見晴らしのいい古寺山頂に立つ。 ここまでは順調に登
っている。 むしろ山地図より少し早いくらいだ。 ここからの展望はとても良い。左の大きく見える山
が小朝日岳、その右の高い方が大朝日岳。 山の山容が手に取るようにわかり、目標が見えて元気
が出る。
その後、三沢清水(大雨の後はダメ)を通過して展望が開ける小寺山頂までは、大石、岩などが多い
道を登る。
ブナとヒメコマツの合体の樹
所在地: 新潟と山形の県堺 標高: 1870M,
登山日: 2022年9月30日 快晴 単独行
コース: 古寺鉱泉登山口(4:50)→一服清水(6:35)→小寺山山頂(7:50)→小朝日岳
(8:30)→銀玉水(9:30)→登山口(16:00)
山頂に続く道は一旦降る。ここでまき道と合流して山頂を目指す。
イギリスからの若者と仲良くなり、写真を撮ってもらう。 彼は京都に住んでいて、休みを見つけては百名山
にチャレンジしていて、 昨日は月山に登り、明日は鳥海山で、そのあともう暫く東北の山を登りに行くと言っ
ていた。 そしてもう一人50代の和歌山からの人とも仲良くなる。
小朝日岳山頂(1647M)、大朝日岳を背にして
小寺山山頂(1501M)
登山口から2時間近く登って来たところにある清水。 古寺鉱泉からのコースはこのような清水が
山頂まであと二か所あり、丁度いい所で美味しい水が飲めたり、補給できるのでとても有難い。
「山の清水ほどおいしい飲み水はない!」 と思うほど美味しかった!
一服清水
ブナ林