笠ヶ岳

標高:2898M     所在地:岐阜県


登山日:2011年9月15日〜16日    快晴   単独行

コース: 新穂高温泉無料駐車場(5:25)→笠新道登山口(6:55)→(8:05)標高1800M地点
    →(8:30)標高1920M・杓子平までの中間地点→(10:38)杓子平(11:14)→(1:03)
    稜線の分岐→(2:27)笠ヶ岳山荘着(泊)(7:00)→(8:13)稜線の分岐→(8:25)抜戸岳
    →(8:41)分岐→(9:45)杓子平(10:05)→(11:45)1920M・中間地点(12:00)→
    (1:15)笠新道登山口着→(2:30)駐車場着


下るにつれて槍ケ岳が次第に高くなっていく。この姿を最後に再び樹林帯に入る。
下りも日差しがきつく木々の中に入りホッとする。何度も休憩をしながらやっとの事で
笠ヶ岳登山口に到着。途中で大福を1っこ食べたきりで、空腹の余りここで弁当を広
げた。美味しい水もあり大仕事を終えた後の爽快さで弁当は美味しかった。

1年のブランクがあったせいかもしれないが私にはこのコースが今までの山行きの中で
一番辛かったように思える。一時は最後まで生けるか心配したが、無事に終えることが
出来本当に嬉しい。登っている時はもう嫌だと思ったりするが、不思議な事に無事に終
えると次はどこにしようかと考えるようになる。これが山の魅力なのだろう。

それともう一つ、単独行で行くと山荘などで山の話で一時の友が出来る。お互いに
辛い登りを経験してきたもの同士なのだからと思う。今回は夕食時に単独行の者が一つの
テーブルで食事をしたこともあり、食後はそのまま山の話に花が咲いた。これも山の楽
しみなのだろう。

笠ヶ岳登頂で私の百名山は60座となる。

昨年の秋の吾妻山以来の山行きとなる。その間脚力の衰えが心配で近くの低山(二上山)に何度も歩
きに出かけた。しかし、この笠ヶ岳はどこから登ってもかなりきつそうでルート選択に悩んだ。熟慮の末
一番登りのキツイ笠新道を選ぶことにした。山地図では稜線までの登りが5時間40分とある、そして山
頂までは約1800Mの登りだ。相当覚悟せねばならないと思いながらの出発であった。

 稜線への登りからの杓子平

うっすらと見える登山道の先が休憩
した所。そこから下って登って来た。
炎天下でとても暑い。途中で右脚に
違和感あり。そして太股がつり出した。
暫く休みマッサージをする。一瞬不安が
襲い小屋まで行けるのかと心配になる。
が、何とか回復して歩き始めることが出
来た。

   笠新道登山口

さあ、ここから登りが始まるぞ。
その前に美味しい山の湧き水で
喉を潤す。

     稜線の分岐

ここまでくれば安心。後は稜線を辿れば
いいのだから。抜戸岳へは明日の帰りに
寄るとして今日は無理しないでパスだ。

   焼岳が見えてきた。

登山口からいきなり急な登りが始まった。
ブナ林の樹林帯をひたすら登り続けると
展望がきくようになった。焼岳(2455M)
が目の高さより少し上に見えている。大分
標高を稼いだようだ。視界が開けてくると
嬉しくなるもんだ。

還暦後の山へ
百名山へ

 標高1920M・杓子平までの中間地点

やっとのこと中間地点まで来た。とにかく
容赦のない登り一辺倒だった。少し休憩。
お茶の美味しい事この上なし。でもまだ半分
あるのだ、杓子平までは。

      槍ケ岳

中間地点を越え、2000M辺りから
槍ケ岳や穂高連峰が目の前に現れた。
左に槍ケ岳、穂高連峰、右方に焼岳、
乗鞍岳、更に遠くに御嶽山が望めた。

       杓子平

樹林帯を抜けると太陽の日差しが厳しく
とても暑い。カンカンデリの中の登りが続
き汗が滴れ落ちる。まるで夏山のようだ、
こんなに暑くなるとは思いもしなかった。
とにかく喉が渇く。飲んでも直ぐに喉が空
からになるのだ。山荘に着くまで手持ちの
お茶を計画的に飲んで行かねばならない。
これが辛かった。

      杓子平からの笠ヶ岳(左の方の笠の形の山)

杓子平からの眺めも素晴らしい。目の前に笠ヶ岳、その稜線の右に抜戸岳(2813M)が
伸びている。ここから右方の抜戸岳を目指していくことになる。でも、良く見ると1度
谷に下り稜線の分岐まで再び登るのだ。どうやら今日は二つの山を登る事になるよう
だ。笠ヶ岳を眺めながらお昼とする。大休憩して出発だ。ここまで抜きつ抜かれつしながら
登ってきた人達も同じように休んでいる。しんどい(辛い)登りだからお互いに相手を励ま
す言葉もかけ合いながらやって来た人達だ。

     ガスが上ってきた。

稜線を歩き始めると直ぐにガスが上って
きた。お陰で気温も下がり、吹く風も爽や
かで気持ちが良い。左側に槍ケ岳はじめ
穂高連峰を見ながらの尾根歩きは格別なも
のだ。辛い思いをしてここまで登って来た
甲斐があった。

       抜戸岩

突然大きな岩をくり貫いたような所を通る。
抜戸岳はこの岩から名付けられたのか?

  ガスの中の笠ヶ岳山荘

ガスが晴れたり出たりする中を
なおも行き、大きな岩がゴロゴロ
した所を登り始めるとキャンプ指定
地が現れる。その先に山荘がガス
の中で見え隠れしていた。あともう
少しだ。

山荘に着いた頃から山頂はガスで覆われていて私は明日の朝に登頂する事に決めた。
案の定山頂に出かけた人からはガスで何も見えなかったとこぼしていた。今日はこれ
までの自分の体に感謝の意をこめてくビールで喉を癒す。美味しかった。

翌朝5時30分の日の出を待つ。山荘前からの朝焼けは見事だ。本当に美しい。こんなに
美しい景色を長らく見ていないと思い胸がジーンと熱くなったようだ。

右方に目を移すと、遠くに富士山、その手前に
甲斐駒ケ岳、そして南アルプスと北岳が朝日を
待っている。いや、その山頂にいる人達はすでに
ご来光を見ているのだろう。

南岳からのご来光

    笠ヶ岳山頂にて

日が昇り早速登頂する。今日も快晴。
山頂からは360度の眺めあり。大満足
して下山する。

左から穂高連峰、奥に富士山、南アルプス、右方に乗鞍、御嶽山などの大パノラマ

下山途中振り返ると美しい山容の
姿を見る。そろそろ尾根歩きも終わりだ。

  抜戸岳(2813M)

ここからの眺めも素晴らしい。
今まで見えてなかった山々を
見せてくれる。

抜戸岳からの野口五郎岳、薬師岳、双六岳等そして槍ケ岳へ続く尾根の大パノラマ