利尻山

所在地: 北海道・利尻島      標高: 1721M

8月に入っても雨の日が多く、降ればあちこちで洪水や土砂災害が発生していた。天気予報を見てい
てもなかなか晴れの日が続かなかった。

80歳になった今、なんとしても今年中に利尻山と朝日岳に登っておきたいと強く願っていた。これら二
つの山の10日天気を見ていて、利尻山に6日先から4日間の晴れマークが現れた。

4日間も予報で天気が続けばよしと、この4日間を狙って山行きを決める。早速飛行機便と宿の予約を
取る。

しかし、その後、雲が出たり、傘マークが出たりして予報が少し悪くなってきた。 でも、もう行くしかな
いと雨を覚悟で山行きの用意をする。

  

利尻山北峰 (1719M) に立つ!

念願の利尻の山頂に立つことが出
来てとても嬉しい!「やったー!」と
心の中で叫ぶ。天気にも恵まれ眺
望も素晴らしく申し分なし。

3時半、無事に登山口着。下山中に4度右脚の太ももに痙攣発症。その度にしばらく休み患部を
マッサージする。これは初めての事でなく、百名山の下りではいつもの事。ただ、今回はその回数
が多くなっているので、これからも心配の種。

利尻山は88座目の百名山。 80歳になった今、今年中になんとしても私にとってきつい山、利尻山、
東北の朝日岳は登っておきたいと願っていた。 その一つを果たせてとても嬉しい。 残り12座、まだ
諦めていないぞ、と強く自分に言い聞かせる! 

  稜線を下り終えて樹林帯に入る。
登る前は途中で脚が持たなく引き返す事に
なるのではないかと不安があったが、もう
ここまで下ってくれば大丈夫だろうと少しホッ
とする。

山頂に続く稜線

利尻山の頂上は双耳峰で、南峰
(1721M)が最高峰だが崩落が厳
しいので行けない。山頂神社のあ
るこの北峰を頂上としている。


  しばらく休憩し、下山開始。

北側に雲が出てきて展望良くなく、南側からの眺め。

山頂とろうそく岩


さあ、後ひと息だと再び気合を入れる。
「もうここまで来たら大丈夫だ、あの頂に立つぞ!」

山道の崩壊が進み登山道がこれ程酷い
状況に成っている事に驚く。この山に登山
者の制限をするべきとの話があるのももっ
ともだろう。

ここまで登って来た
 稜線と鴛泊の街


稜線の真ん中のくぼんだ所の
赤いのが避難小屋。

9合目、(1410M)

山頂確認!前方の右のとんがった所が
山頂だ!目標が見えて元気が出る。

しかし、ここから正念場なのだ。 この先
登山道はえぐれていたり、崩落個所があり
更にガレ場の急な登りが続く。

佐上長官登山記念歌碑

              利尻山の勇姿、

長官山(1218.3M)から眺める。 辛い急坂を山頂はまだなのかと登り続けて長官山に出ると、利尻山の勇姿が目に飛び込んできた。 素晴らしい! この姿に見惚れ、感動する。

鴛泊港とその街並みがなおくっきりと

    第二見晴台(1120M)

山容が見えだした。丁度ここで私が
何時も登っている金剛山(1120M)と同じ
高さまで来たのだと思い、これからだと
再度気合を入れる。

   7合目・胸突き八丁(895M)

ここから第二見晴台、長官山までジグザグ
の急坂を登る。更に足元には岩や大きな石
などで一段と困難な登りが続く。

      トイレブース

利尻山入山には携帯トイレの持参が
義務となっている。一つ450円で宿や
コンビニで購入し、下山時に登山口で
備え付けのボックスに捨てることが出
来る。6,9合目など3か所にあるトイレ
ブース内で利用する。

私は9合目で利用し、その後下山まで自分
の物をリュックに入れて持ち運びしたのは
これがはじめてでした。

稚内方面

      礼文島遠望。

素晴らしい眺めだ!遠くに礼文島が、眼
下には鴛泊の街並みがはっきりと見えて
いる。1時間半も登って来た甲斐がある。
これまでの疲れは吹っ飛んだようだ。

  6合目・第一見晴台(760M)

樹林帯が終わり、北陵の尾根に出る、周りが良く見え、何だか空気も美味しいようだ。

眼前に山の姿が見えた。あれが目指す利尻
山なのだろう、方向から見て。

突然視界が開く、第一見晴台が近いぞ!
と心が弾む。

  5合目・雷鳥の道標(610M)

1時間以上も歩いているけど標高は
まだ610Mとあり、余り高度を稼げてい
ないなと驚く。 雪の季節内は雷鳥が
出るのだろう。、

稜線が近づいてきたのか、高度が上がり
白樺の中を歩く。前方が少し開けてきた。

  4合目・野鳥の森(390M)

同じように針葉樹林帯を歩いて行く
が景色はあまり変わらない。足元には
岩や大きな石、根っ子などが出てきて
少しづつ歩きにくくなる。標高はなかなか
上がらない。」

山頂までは一本道で迷うことはないようだ。
樹林帯の中を進んでいくが、まだ緩やかな
登りで良い感じの山歩きだ。

     3合目(270M)

名水を過ぎると舗装が終わり、普通の
登山道になる。傾斜は緩く直ぐ3合目に
出る。山頂の10合目までは合目の目
標があるので目安になる。


登山者がもっと多いかと思っていたが、まだ早朝なのか
私を含めて数えるほど。

舗装された道を行くと直ぐに名水甘露泉が出てくる。私は
ここで水分を補給するため用意し置いた700ccのペット
ボトルに名水を満タンにする。一口飲んでみたが、とても美味
しかった。この先水場がないのでここで補給するべし。

登山口から直ぐの所に「靴洗い場」
がある。同じようなのがニュージーラ
ンドのMilford Track の入口に在った
のを思い出した。 雑草の種子や外来
種等を持ち込まないようにするために。


8月25日 晴れ。 

(4:30)宿の送迎バスで登山口へ

宿に着き、早速近くにある利尻山神社
に参拝し、明日の登山の無事を祈る。

涼しい、大阪と違う。日陰に入るとなお
一層涼しさが増す。

8月24日 伊丹発9時50分に乗り、千歳空
港で乗り継ぎ13時50分利尻島へ。


機体の向こうには利尻山、でも山頂は雲
が蔽いかぶさっていて見えない。
百名山へ

登山日: 2022年8月25日(木) 晴れ, 単独行, 10時間35分(休憩を含む)

コース: 利尻北麓野営場(4:45)→甘露名水→4合目野鳥の森→5合目雷鳥の道標→6合目
    (6:24)第一見晴台(760M)→7合目胸突き八丁→第二見晴台(1120M)→8合目長官
    山(1230M)(7:45)→9合目(1410M)(8:40)→北峰(1719M)(9:50)休憩(10:09)→
    同じ道を」下山→利尻北麓野営場着(3:20)


このあと、緩やかな尾根を登って行くと避難小屋がある。水は無いがトイレブースがある。
樹林帯を出た後の尾根歩きは背丈より少し高い樹木の中を登るので展望は良くない。