9月に入っても台風などでなかなか天気が続かない中、3日間の晴れ間を狙って飯豊山(山形と新潟の県
境)に登る。ここは私の未踏百名山の中で宿泊を余儀なくされる山で、なんとか早めに登っておきたい山。
予定する山小屋はどれも避難小屋とあり、寝袋に食料を持参しなければならない。その分ザックが重くなる
のが辛い。

昨年度も同じ時期にこの山を予定していたが、結局台風などで天気が続かず断念した。今年は何としても
実行に移したいと願っていたところ、台風18号は本州に来ないだろうという予報が出た。それで9月12日の
夜車で出発する。名神から北陸道に入り尼御前SAで車中泊。

翌日関越自動車道に入り会津坂下ICで降り、喜多方市の川入から御沢キャンプ場の登山口へ、大阪から
約700キロ。そこで車中泊。管理人の話では、「台風18号が九州に上陸するようで、遠く離れていても山は
大いにその影響を受けるようで、出来れば一泊で下山するのが賢明だろう。」とのことだった。

しかし、私は必ずと言っていいほど右脚に痙攣が起こり、何度も休憩しながら登り下りをしなければならず、
人以上に時間がかかる。 とにかく予定通り2泊3日で出発することにした。

飯豊山

所在地: 山形県・新潟県境     標高: 2105.1 M  


登山日: 2017年9月14日、15日    晴れ、のち曇りと強風     単独行

コース: 1日目(木) 川入・御沢キャンプ場(5:10)→下十五里(6:00)→中十五里(6:25)→
          上十五里(6:47)→笹平(7:17)→水場(8:02)→剣が峰(9:06)→三国
          小屋(9:25)→種蒔山(10:57)→(11:20)切合小屋(11:40)→草履塚(
          12:22)→姥権現(12:43)→御前坂(13:21)→本山小屋(14:00)→
          飯豊山頂(14:30)→本山小屋(15:00)泊
    2日目(金) 本山小屋(6:00)→切合小屋(8:00)→三国小屋(9:40)→御沢キャン
          プ場(14:00)

     下十五里

いきなりブナ林の急登が続く。体は
まだ本調子になっていない。しばらくは
ゆっくり登る。

御沢キャンプ場登山口

14日木曜日早朝5時過ぎ登山口から歩き出す。
登山者は少ない、6人の若者のグループと夫婦
一組、あと単独行の人が二人と私だけだった。

小屋に入りしばらく休憩。管理人は今日は来ていない様子で今夜泊まる場合は無人の避難小屋となる。

   三国小屋(1640M)

9時半三国小屋到着。ここは福島県、
新潟県そして山形県の三つの国境。

この写真は翌日の下山時に撮影した
ものでこの日は台風の余波で天候を
あまり期待できないのに多くの登山者
が来ていたのでびっくりする。

梯子を登り、次の小屋・切合小屋を目指す。

下りではみんなに追い抜かれ、何度も休憩しながらの山歩きだったが、慌てずゆっくりと自分のペース
を守る。登山口が見えた時は「やった!飯豊山を登り切ったぞ!」と叫ぶ。

  午後2時、無事に下山終える! 念願の山・飯豊山完登! 83座目の百名山

   本山小屋(2102M)

2時 本山小屋到着。今夜泊まる小屋。登山口から約9時間(休憩入れて)。
とにかくザックを置いて山頂へ向かう。

ガスが出ていて視界は悪い。
その上に強風だ!

      種蒔山(1791M)

展望は良くなっているが、七森へは急な下りが続く。
先ほどの小屋からは標高で100程しか高くないけれ
このくだりを入れると100どころではない。この後何回
も山を越える。この付近から草履塚や飯豊本山が望
めるのだが。

8時 切合小屋到着

山小屋での一夜は大変だった。一晩中強風と凄い雨
の音、その上に寒くなかなか寝られなかった。トイレは外
にあり、雨が止んでいるすきを狙って外に出た。

途中の山小屋「切合小屋」の名前の由来が気になり本
山小屋の管理人さんに尋ねると、「昔国境で領地をめ
ぐって本当に切合い?があって、その地名が残ってい
たが「切あい」と呼ぶのは良くないので「きりあわせ」と
読むようになった。それで切合小屋も「きりあわせこや」
と呼ぶのが正しいのだ。」ということです。」

15日朝6時下山開始。雨が止むのを待っての出発。
ガスの中歩き始める。
幸いに雨は上がってくれたようだが強風とそして
何度もガスが覆ってくる。
飯豊山神社 
本山小屋の傍にある神社, 
中に入り無事の登山を祈願する。

岩登りの危険な場所を過ぎていくと

              剣が峰

やっと来た稜線!これから歩く道は岩が多く、かなり厳しいようだ。要注意!
青空も見え、展望の良く、アップダウンもあるが気分も良し。


歩いてみるとやはり大変な道だった。とても気楽な気分で歩けない。体のバランスを気にしながら下に滑り落ちないように進んだ。

剣が峰への岩登り

     中十五里

0.5キロくらいごとにこのような広場があり
一息入れられる。

  

百名山へ
三国小屋、切合小屋、本山小屋は管理人が常駐していません。基本は無人の避難小屋ですので登山され
る方は常駐期間を確かめてください。
 三国小屋と本山小屋は問い合わせれば食事と寝袋は用意してくれ
ます。本山小屋は小屋使用料と合わせて一泊7200円でした。


本山小屋の夜には良い時間を過ごせた。みんなで食事しながら、管理人さんご夫婦も入り、山の話や新潟
の銘酒の事などに話に盛り上がる。有難いことに管理人さんがワインと酒の肴を出してくださり、こんな和や
かな山小屋での夜は私には初めてだった。避難小屋でこの日も宿泊者は女性3人、男性6人(私を含めて
)の10名足らずが良かったようだ。
帰りに「飯豊の湯」に入り疲れをいやす。とても良い温泉です。この次に会津駒ケ岳に登る予定だったが、
台風18号接近とあり、中止して、帰宅。
9時40分三国小屋着。

あまりにも早くこの小屋に着いたので、宿泊予定を変更してこのまま下ることにした。
遅くても3時ころには登山口に着けると判断

三国小屋とその先に続く剣が峰

切合小屋(きりあわせこや)への道

幸いなことに青空が現れた。今日は
なんとか晴れるようだ。 天気予報で
今日の飯豊山は雨のち晴れ。明日は
下り坂の模様。今日中に下山できれば
いいんだがと思いながら歩く。

本山小屋での夕食

小屋に問い合わせ2食と寝袋お願い
する。自分の荷物を出来るだけ軽くし
て置きたかったので。夕食はカレーで
朝は親子丼。もちろんどちらも
レトルト、調理は出来ないので。

飯豊山頂(2105.1M)

残念ながらあたりはガスで視界はゼロ!
楽しみにしていた素晴らしい展望は無い!
その上に風が強く、立っているのも大変な状
況だ。台風の影響を少なからず受けている
のだろうか?誰も登って来なくセルフシャッ
ターで自前撮り。

山頂へ続く道。ガスの晴れ間を待って写す。
展望は全くゼロ。山頂も同じだろう。

      御前坂

わらじを脱いだ草履塚の次に神の領域に入
る前の試練の岩場がある。そこは要注意箇
所で「御秘所」と呼ばれている。そして社に
差し掛かるとこの「御前坂」を通ることにな
る。なるほどこの山が信仰の山だとわかる。

       姥権現

飯豊山は昔女人禁制の山で、でも登りたいという
女性が男の倍の苦行に挑んでから山頂を目指す。
しかし、ここで疲れて休んだら石になって動かなく
なってしまったという。そしてこの石の姿となって
残っているのだとか

残っている雪渓

山頂に続く山々。飯豊山は奥が深く
近寄りがたい山なんだ。

           草履塚(1908M)

飯豊山頂から少し下がったところに本山小屋があり
、その脇に飯豊神社がある。そこへ参るこの登山道の
ここでわらじを脱いだという草履塚。でもこんな所で
草履を脱いで山頂近くまで登っていたのだろうか?
まだまだ険しい場所があるのだから。

しばらくは平たんな道が続く。振り返ると
切合小屋が見える。

さあ、最後の小屋と山頂を目指して行こう。出来れば今日中に山頂に立ちたいと願いながら歩き出す。

      切合小屋

11時20分到着。登山口から6時間あまりかか
る。ここに来るまで何度もアップダウンあり標
高は稼げてない。この小屋だけが水が豊富に
あり、後の小屋は水を担いで上がらねばなら
ない。

ここで私は水を2リッターばかり補給して登る。
水は重い、肩にぐいと来る。

山間に切合小屋が見え、その奥に続く
稜線の先が目指す所。まだまだあるな!

三国小屋が見えてきた。予定では
下りにあの小屋に泊まるつもりなの
だが。

山が見えてきた。もう少しで稜線
にでるぞ。きつかった急登も終わりだ。
あの先の稜線を行くのだろう。

       水場

笹平で後から登って来た人がもう少し行くと
水場があるとおしえてくれて、少し元気が出る。
そこから水場までは割合と平たんな道が続く。

山の水はどうしてこんなに美味しい
んだろうか!ぐいと飲んで生き返ったな!ここで
1000メーター程標高を稼ぐ。

       笹平

稜線に出るまでのこの道は長坂と言うが、
まさにその通りだ。まだまだ急な登りが続く。

     上十五里

ずーと樹林帯が続く。登山道は何度も
腰辺りまでのえぐれた道になったり、
根っ子が出ていたりでかなり歩き辛い。