能登半島一周自転車の旅

2016年5月16日〜19日(3泊4日

1日目

ロードバイクを楽しむようになると、どこか遠くへ行きたくなる。これまでしまなみ海道を渡り、琵
琶湖、淡路島、丹後半島とそれぞれ一周してきたが、この能登半島も次に走りたい場所だった。

5月の連休の後天気を見て15日車で能登千里浜休暇村へ、ここに車を置いて翌日16日からスタ
ート。

朝8時半、羽咋から415号を富山県の氷見市へ向かう。天気は良し、晴れているが気温は高く
27度。 羽咋駅から415号線を一路富山県へ向かう。途中峠を越え、25キロ先の氷見市へ。

珠洲市の249号線から離れて県道28号線に入ると、途端に車が少なくなる。とても気分よく走れ
る!特に先端に行くほど車は通らない。ここから狼煙の道の駅までは本格的な登坂。かなりきつい
所もあったが何とか歩かずに最後まで乗り切った。いやはや、大変だったけれど!

今日も申し分のない天気、朝8時出発。今日は能登半島の最先端の灯台を目指し、その後は
一気に下って輪島まで走る予定。民宿の主人に海岸沿いを走るのがいいと教えられ、それに従
い走るが、最後には辛い登坂が待っていた。珠洲市の中心地・上戸町を通過し、蛸島漁港、小泊
漁港、から走り続け、「寄り道パーキング寺家」で休憩、お茶を購入する。珠洲神社の手前で、この
後から半島の最先端まで登坂が始まる。

この後海岸から離れて山道へ、曽山峠を越え再び海岸線に戻る。そして249号線と別れ海岸沿いの
道・県道35号を走る。能登町に入り、宇出津漁港、千畳敷、小木漁港へ。

小木漁港には何隻かのイカ釣り漁船他港狭しと船が停泊していて、割合と大きな漁港の様子。丁度
昼時になり、お昼にと店を見つける。そこは仕事を終えた地元の漁師さんたちの食事処。私が自転車
能登を回っていると知り、で店の主人から一品サービスをしてもらうなど良い処でのお昼となる。

和倉温泉の足湯

峠を越え、七尾市を抜けて、和倉温泉へ。能登半島では
いちばん有名な温泉町。特に見るところもないので、足湯
に寄る。海が見渡せるいいところにあり、足の疲れを癒す
のに丁度いいようだ。

今日の宿はさらに北上し、能登鉄道の駅「西岸」にある国民
宿舎「能登小牧荘」。本日の走行距離は94キロ。温泉に入り、
脚の疲れをとる。山歩きだと一日歩くと、かなり疲れが出るが、
自転車は一日走りまくっても意外と脚は平気のようだ。明日
もまた走れるぞ。

氷見海岸から望む立山連峰は、まだ残雪のある姿が
とても美しく、その眺めに満喫しながら走る。

石川県の七尾市に入る。

大本山総持寺

今日が最後の日で焦らずサイクリングを楽しもうと
いう気分で一路千里浜の休暇村を目指す。249号
線を行くと、総持寺への門前町へ。

輪島市内の能登のキリコ

朝市に寄るがまだ早すぎた。コーヒーのいい香りに
誘われて喫茶店へ。そこで朝市が始まるのを待った。
主人が私のことを50代と間違えてくれて、大いに気分
よくする。主人は私が70代で同い年と分かりびっくりしていた。朝市は始まっていたがまだあまりにぎわって
なく活気も感じられなかった。私は酒屋の前でピタット
足がとまり、ついつい地酒を2本買ってしまう。もちろ
ん宅配で。

道の駅・すず塩田村

早速塩を買い求める。小さい袋に入っていてそれで
400円、結構高い、その上にお「一人様一つ」だ。

すず塩田村の塩田

塩田で作業をしている人に教えてもらたのだが、
自然の塩は甘みがあり、NHKの朝ドラ「まれ」以降
人気も出てよく売れているのだと。話を聞いていると
塩田から塩を取る作業はなかなか大変。加賀三代藩
主前田利常公が農民の生活救済のために塩田法を
奨励したのが始まりとか。

椿展望台

狼煙の道の駅から木ノ浦の椿展望台までは登り
坂。展望台から見渡せばはるか下まで道が続いて
いる。坂道の登りは決してサイクリストを裏切らない。
必ず楽しい下りが待っているから!でも、輪島から
逆に時計回りに走っていれば、この長い坂を登って
来なければならないと思うと、時計とは反対周りで
良かったのだと納得する。長い長い下り坂が本当に
楽しく、自転車ならではのそう快感を味わった!!

能登半島最先端

道の駅から400メートル上ったところにある灯台前で。
とてもいいところにあり、日本海を見渡せる。3日目にして
ここまで来たかとあらためて満足感に浸る。

やっと着いた、「狼煙道の駅」

車とかバイクで来ている人もいるが、「自分は自力で
ここまで来たんだ!」となんだか大いに気分がよく、少し優越感をおぼえる。ここでコーヒータイム。

民宿の夕食

見附島すぐそばの民宿に泊まる。夕食は刺身など
魚料理でとても満足。日の出の見附島が美しいと
教えられたが、翌日はその時間にはまだ夢の中
だった。今日の走行距離は75キロ。

のと鉄道「穴水駅」

能登半島の交通はあまり便利でない。金沢
からJR七尾線で七尾駅まで、そこでのと鉄道に
乗り換えて、この穴水駅止まり。そこから先はバス
が走っているが、多分日に数本の運行だろう、あまり
出会ったという印象がないので。この穴水は大き
な町。大阪からは和倉温泉まで直通の電車「サンダ
ーバード」が日に1本運行されている。

氷見海岸から見る富山湾と立山連峰

JR七尾線羽咋駅

四国一周自転車の旅へ

輪島からの道も結構登り、きつい坂もあり立ち止まることもも多くなり疲れも出てきたようだ。でも、
この4日間よく走った。本日の走行距離は85キロで、総走行距離は329キロとなる。無事に4日間の
能登半島自転車の旅を終え、我ながらよく走ったものだと感心する、足の疲れはまだそんなに無く、
まだまだ走れるようだが、お尻が痛いのと前傾姿勢なのでこしがだるくなるような症状がなけれ
ば、まだ行けると思う。5月の能登半島はサイクリングに最高の季節。また来年も美味しい魚と温泉
を求めて走りに来ようかとも思ったりする。74歳、がんばれ!

世界一長いベンチ

長いベンチが作られていたが一体どうしてかと
疑問になった。もし、ここに人がいっぱい所狭しと
座っていれば、そんな光景に出会えば凄いと思う
だろうし、ギネスものになるだろうに。

とぎ海街道道の駅

最後の休憩場所、白エビのよせ揚げ
ざるそばを食べる。

輪島市黒島地区伝統的建造物群保存地区

左の家が当時の姿をそのまま残している「角海家」
と街並み。

4日目(最終日)

すぐに輪島着。今日の宿、民宿を探す。輪島高校の目の前にあった。今日も無事到着!本日の走行
は75キロ。あと一日だ、足に疲れも出てくるころだろうが頑張ろう!

千枚田

地元の人の田んぼだけかと思っていたら、県外の
個人の持ち主の名前があった。政治家やらの。

流罪の身となった平時忠がその生涯を送った地

窓岩

トンネルを抜けると、次はこんな姿の岩に
出会う。

垂水の滝

トンネル手前で走っていると目に入ってきた。

「まれ」の舞台になった塩田

こんな大きな窯が使われていた。

饅頭ぽいものとコーヒーを買い、海の前のベンチで
お昼とする。

ゴジラ岩

しばらく走っているとゴジラ岩に出会う。海をよく見て
ないと見落としてしまうでしょう。風は少しアゲインスト
だな。

この後も輪島まではどうも全体的に下っているような感じ。次回も来れば反時計回りにしようと思う。

日本列島ここが中心の碑

源義経を守った珠洲神社

兄の頼朝から追われる身となった義経は、奥州へ落ち延びる際この珠洲神社に向かい、無事を祈
る。

寄り道パーキング寺家

3日目

見附島の前で

恋路海岸から遠くに今日の宿予定の見附島の姿が見え
ていた。見附島という少し変わった名は空海が佐渡島か
ら戻った時に最初に見つけた島がこの小さな島だったと
言われているとか。別名は軍艦島。

海岸沿いを走っていて感じたことだが、いくつもの漁村を通過しているうちに道がわからなくなった。
道を尋ねようとするがなかなか人に出会わない。新築になっている家もあるが後の景色は多分昔
のまま一つも変わらないのだろう。まだまだ日本の原風景が残っているようだ。

やっとのことで見つけたおばさんに道を尋ねる。とても親切に教えてもらい、「お気をつけて!」と
この後の私の旅を気遣ってもらい、人の温かさに触れる。

恋路海岸

九十九湾を右手に見て少し山の中に入り、恋路海岸
に出た。約七百年前の男女の逢瀬の話がその名の
由来とか。

ボラ待ちやぐら: 日本最古の漁法で、丸太のやぐらを組み、その上から海底に張った網を見張り、
やってきたボラをとるという方法。穴水湾には2,3か所このやぐらが残されている。

明治の館・室木家

今日は珠洲市の見附島までの予定。道は出来るだ
け海岸沿いを走ることにした。249号線を能登半島の
先端に向かって北上する。

朝8時半出発。この姿で走っています。今日もいい天
気、だが、朝は寒い。半袖で出たけれど、しばらくは我慢
する。下り坂になると、スピードが出で寒さに耐え
きれずにウインドブレカーを着る。

2日目

道の駅「いおり」で休憩。パンとコーヒーでお昼とする。
ベンチの隣に座っているおじさんと話す。地元の方で
「氷見海岸からの立山連峰の山の姿がとても凄いです
ね」と言うと、「そうだよ、山がよく見えるが、今日の
ようによく見えると、天気は下り坂だよ!」と言われた。
それが当たっていた。宿に入ると、夕方から雨になった
のだから。