聖岳から光岳へ

  登山一日目:

4時過ぎに北九州の同輩が出かけた。「上で出会おう!」と別
れる。私はその後4時40分ライトの光を頼りに歩き始める。真っ
暗闇の中1人で山道を歩くのは正直なところかなり心細い。「ク
マ出没」の看板もあり鈴を鳴らす。しばらくして便ヵ島聖岳登山
口着。

少しづつ高度を上げていくが、登山道は急な斜面をトラバース
していて一歩バランスを崩すと滑落してしまう。6時前に渡渉地
の西沢渡(1090M)に着く。

所在地: 長野県・静岡県境  

標高: 聖岳(3013M)、光岳(2591.1M)

(1日目)

聖岳→上河内岳→茶臼岳→易老岳→光岳


登山日: 2013年8月20日〜23日  晴れ時々ガス、 単独行、 歩行時間(休憩含む):28時間30分

コース: 1日目: 易老渡登山口(4:40)→(5:10)便ヶ島・聖岳登山口→(5:58)西沢渡(7:15)→
      (8:41)苔平(9:07)→(10:13)薊畑分岐(10:42)→(11:23)小聖岳(11:33)→
      (12:32)聖岳(13:00)→(14:20)薊畑(14:30)→(14:50)聖平小屋(泊)

    2日目: 聖平小屋(5:45)→(8:00)上河内岳肩→(8:17)上河内岳(9:00)→上河内岳肩
      (9:22)→(10:39)茶臼岳分岐→(11:05)茶臼岳(11:32)→(11:50)茶臼岳分岐→
      (12:00)茶臼小屋(泊)

    3日目: 茶臼小屋(3:40)→(4:27)茶臼岳→(5:24)希望峰→(6:45)易老岳(7:05)→
      (8:42)静高平(8:50)→(9:05)光小屋→(9:24)光岳(9:30)→(9:38)光石(9:40)→
      光小屋(10:10)→(12:17)易老岳(12:30)→(14:25)面平→(15:30)易老渡登山口

タカネマツムシソウ

イワツメグサ

イワギキョウ

ノコンギク

下山途中薊畑から聖平小屋への登山道で見つけた高山植物

        お花畑

登り始めてすぐお花畑。まだ元気に咲いていた。
この時はガスが晴れていたが上はガスで覆われ
ていて見えるはずの聖岳は見えない。

増水時はこのような荷物用の籠を使うのだが、今は雨が少なく
小さな木の橋を渡った。
8月18日夜自宅を車で出発し、途中仮眠して翌日登山口のある遠山郷へ。「かぶらの湯」に入り明日か
らの山旅に備える。

登山口への林道は落石の危険個所が多くあり一般車は8時から5時までに通過しなければならない。そ
れ以外は通行禁止となっている。温泉に入りお昼を済ませて3時ごろに易老渡登山口に到着。すでに多
くの車が止まっていた。

明日登山に出かける人達がいつの間にやら集まり山談義。聖岳から光岳へのコースが良いのか、その反
対の光岳から聖岳へが良いのか?が中心の話題。私は予定通り聖岳から登ることにした。北九州から
来ていた御同輩は光岳から行くと決めたようだ。

これら山の名前に少し引き付けられる。「聖」という字の持つ重みやら、「光」を「てかり」と読ますところの意味
に興味が湧く。「一体どんな山なのだろう?」かと。
登山2日目に続く

聖平の木道と白く立ち枯れた姿が絵になる。
もうすぐ小屋が見える。

アキノキリンソウ

今年は南アルプスに残っている5座の百名山に登っておきたいと思い計画を立てた。で、まずは聖岳と
光岳。登山口へも入りにくく、山はアプローチが長くどちらから登ってもかなり厳しそう。

        聖平小屋

小屋は8割の混みよう。寝具は寝袋で小屋での
寝袋は初めてだった。ここで驚いたことはトイレが
水洗なのだ。水が豊富にあるからだろう、でも小屋
の外のかなり離れた所にあり夜中に行くのは多少
辛い。

聖岳(3013M)に立つ。久しぶりの3千メーター級の山。本当にき
つかった(小屋で書いた山旅日記にそう記してあるが、今はそう
でもない。)最後の登りは。登山口からすると2100Mも登って来た
のだから。我ながらよく頑張ったと自画自賛。72座目の百名山。

でも案の定展望なし。残念だが仕方ない。今日何とかここまで
登ってこられたことの方が嬉しく大満足。ガスの中登ってきたた
めに聖岳の山容が分からない。明日にはその姿を見たいものだ。
      小聖岳

お花畑を通り、ガスの中とにかく登る。ハイマツの斜面になり
「小聖岳」(2662M)着。展望なし。

晴れていれば目の前に聖岳が見えるのだろうが。この後が
大変だった。いくつかの小山を超えて行き、最後は急な砂礫
大斜面の登りが待っていた。ジグザグに登り目指す聖岳へ。
今日の予定はこのまま聖平小屋までなのだが、10時13分とま
だ早い。聖岳に登ろうか?どうしようかと迷う。

天気は良くなくガスが出ていて山頂から下って来る人に聞いて
も上はガスで視界ゼロとのこと。

でも、このまま小屋に入ってしまうのも時間があまりもったいな
い。風が強いのでひょっとしたら少しは展望もあるかもしれない
と願いつつ登り始める。

     ハクサンフロウ

尾根を少し歩き登って行くとお花畑。時期は
少し過ぎているがまだ可憐な花を見せてくれ
ていた。

       標高2000M地点

カラマツの林とシラビソの林を登ると苔の原生林。緑が美しい。
登りが続く。

      標高1800M地点。

滑落防止のネットが張られている。気が許せない登山道だ


     聖岳(3013M)

薊畑分岐