日本百名山の旅(5)
羅臼岳
所在地:北海道・知床 標高: 1661m
登山日: 2012年8月31日 快晴
コース: 岩尾別温泉ホテル地の涯駐車場(5:10)→(5:50)オホッツク展望台→(6:20)650m
岩峰→(6:47)弥三吉水(6:52)→(7:00)極楽平→(:7:23)仙人坂→(7:46)銀冷水→
(8:00)大沢入口→(8:40)羅臼平(8:50)→(9:10)岩清水→(9:50)羅臼岳山頂(10:20)
→(2:38)登山口駐車場
駐車場のそばまでやってきた熊。
仙人坂
極楽平に入りしばらくは山歩きを楽しめる。、
登山口
山に入るとコースはいきなり急な登りとなる。
念願の山・羅臼岳に登る日がやってきた。北海道の東北端、オホッツク海に突き出た知床半島にある
山は大阪から見ればとても遠い存在だった。いつかは登ってみたいと思い続けた最果ての山。
一体どんな山なのだろうか?まず山の由来を調べた。地元羅臼の村では「知床富士」と呼ばれている
が、私には「知床旅情」の歌詞で「羅臼」という名を思い出す。「羅臼はアイヌ語で「鹿、熊などを
捕ると必ずここに葬ったため、その臓腑や骨のあった場所」という意だそうで、ラは「動物の内臓物」、
ウシは「たくさんある場所」を意味するという。ラウシと呼ぶのが正しく、古い地図には良牛と書かれて
いる。」(以上深田久弥の「日本百名山」より。)
5座の中でも一際山への思いが強いこの山を最後に選んだのは、全て無事に登り終え、今回の北海道百
名山の旅の有終の美としたいためだった。
天気は快晴でお天道様も私の願いをかなえさせてくれそうだ。体調も良好。
計画通り5座を登り終え、帰宅の途につく。大阪までは長い道のりだ。今日は苫小牧東港のフェ
リー乗り場までドライブ。天気も良く観光気分にもなる。
まず、羅臼岳が見渡せる知床峠へ。知床富士と呼ばれるように良い姿をしている。昔妻とここに
来て羅臼岳を眺めた際、「あの山に登りたい。」と思ったことがあった。今それが実現出来て嬉し
い。右の写真は北方領土を示すレリーフと国後の遠望。 羅臼岳は69座目の百名山。
次に摩周湖へ。霧の摩周湖と言われているが幸い快晴でその美しい姿を見せてくれた。あとは
ひたすら走りフェリー乗り場へ。18時間の船旅で、翌日の夜敦賀着。友人を今津まで送り、帰宅。
10間の北海道百名山の旅が終わる。残りの4座は来年に残しておこう。
心配していた熊にも会わずに下山するが、なんと翌朝ホテルの駐車場に熊が出没。一番山側に
止めていた私の車のほんの近くまで降りてきた。人が集まってきたのでそれ以上は近づく気配も
なく、しばらく様子を見て去って行く。小熊のようだった。
宿泊したホテルの人の話では、昨日も熊が駐車場に入り込みうろうろしたり、ごみ箱を壊し始めて
手に負えなくなる。仕方なく環境庁に連絡を取り許可を得て射殺したとのこと。ひょとして今日現
れたのはその子供ではないだろうか?
羅臼岳をバックに
羅臼の町
羅臼温泉へ下るコースもある。
斜里岳、阿寒の山々の遠望
この山旅最後の山頂で登ってきた山々が見えて感無量の境地となる。
国後島
「遥か国後」がすぐ目の前にある。「こんなに近いの
だ、やはり日本の領土なのだ」とあらためて思う。
羅臼岳山頂にて
念願の山の頂に座り至福の時を味わう。北海道の最果て
の山に登ることが出来たという喜びに胸が躍る。
岩清水
ハイ松が終わり最後の登りが始まるこんなところで湧き水
があるとは。本当に冷たくておいしかった。喉を潤し山頂へ
と元気が出る。
食糧保管庫
テント泊の場合食糧は熊から守るためにここに入れて
置くようにとある。これも羅臼平にあり。
羅臼平
眼前に羅臼岳の姿を見せてくれた。思わず感動する。
大沢入口から見る羅臼平
稜線の交わっているところが羅臼平。
簡易トイレ
極楽平から平坦な道や急な坂を行くと大沢入口に
でる。
銀冷水
水場は確認できなかった。枯れることがあるようだ。
弥三吉水
湧水のある所で、年中枯れないそうだ。とても冷たくて
おいしい。しばらく休憩。山頂下に湧水があるようだがそ
こは枯れることがあるようだ。
白樺のトンネル
しばらくはこのような道を行く。いい感じで歩けてこれ
までの登りでの疲れも少しはここで回復できる。
ヒグマ出没多発区間
北海道でも一番熊に出会う確率が高い山だとは
覚悟していたが、山に入りすぐこのような注意書きを
見ると体に緊張が走る。二人で鈴と笛を鳴らして登る。
360度の眺望は素晴らしい。知床半島の先方向と硫黄山。
山頂を目指してハイ松の海を行く。
木々の間に羅臼岳が見えだす。
650m岩峰、頂上まで5キロ
オホーツク展望台
まだまだ急な坂が続く。オホーツク海を眺めて、あらためて遠くに来たもんだと思う。