@不貞行為とは
今回は不貞行為の慰謝料請求ということで述べさせて頂きたいと思いますが,まずどのような条件が整った場合に請求ができるものなのかについて確認していきたいと思います。
不貞行為の内容
まず,問題となる「不貞行為」ですが,これはいわゆる性交渉のことであり,肉体関係まで要するものです。
ここでテーマとしてあげている「慰謝料」とは精神的苦痛により発生するものですが,人によっては性交渉に達せずとも例えばデートに行ってしまったことをもって慰謝料を請求しようと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
私が相談を受けた中でも,例えば
二人でレストランに行った際の領収書
二人で町を歩いているところの写真
などをお持ちになられて,これを証拠に慰謝料請求をしたいと仰られる方がいらっしゃいます。
しかし,上記のものでは慰謝料請求をするには足りません。
あくまで証拠として大事になってくるのは性交渉,肉体関係のあったことを示すものです。
具体的には,私がよく証拠としてお願いするものは
ホテルやどちらかの自宅など2人きりになれる場所を出入りしているところの写真
性交渉があったことを直接推測させる電子メール
などです。
なお,写真については探偵に依頼して撮影をしてくる方が多い印象です。
しかし,探偵の中には,慰謝料請求に必要な証拠を理解しないまま,二人で歩いているところの写真だけ撮影してくる方もいらっしゃいます。
もし探偵に依頼するのであれば,事前に私にご相談頂ければ,どんな写真を撮影してきてもらいたいのかということを指示させて頂きますので,できれば探偵に動いて頂く前にご相談ください。
また,個人で撮影しようと頑張られる方もいらっしゃいます。
この場合に注意して頂きたいのは,相手方に勘付かれたら写真を極めて撮りづらくなるということです。
そうすると,写真を撮ろうとするにもポイントを絞って考える必要がありますので,この点についても動かれる前に予めご相談ください。
不貞行為といえるための関係
不貞行為による慰謝料請求が認められる関係は,原則として婚姻関係にある夫婦ということになります。
これは,婚姻関係にある夫婦間には,法律上貞操を守らねばならない義務があるので,これを侵されたことが慰謝料請求の根拠となるからです。
これについて,しばしば不貞の相手方から「結婚していることを知らなかった」という反論がなされることがあります。
慰謝料請求は,
「故意」すなわち夫婦の貞操を侵すことを知っていてなした場合
のほか,
「過失」すなわち夫婦の貞操を侵すと知らなくても誤って侵してしまった場合
にも認められます。
しかし,過失の場合は,慰謝料を請求する者が相手方に過失があることを証拠をもって証明しなければならないので,やはり「故意」であるという証拠を初めから持って請求を行いたいものです。
なお,婚姻関係になくても,婚約している相手方との間の不貞行為については慰謝料請求ができることがあります。
ただし,この場合は,慰謝料を請求する者が婚約関係にあることを証拠で証明しなければなりません。
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