野人ナトゥー

ミャンマー奥地 赤密林縦走3000km 伝説の野人ナトゥーを追え!!

2005年 3月19日放送


たじも
95 初代探検隊のDVD発売が世間を騒がす中、現探検隊の最新冒険劇が届けられた。今回のターゲットは、 最近ミャンマーで頻繁に目撃されているという野人ナトゥーだ。いい響きだ。今回は予告編から凄い。 まず映し出されるのは、ナトゥーを模したと思われる着ぐるみの歩行姿。ドーン、ドーンという明らかに 人工的にくわえられた効果音のわざとらしさに圧倒されること間違いなし。続いて映し出されるのは、 隊員めがけて坂道を転がり落ちてくる丸太。まさかこれが
ナトゥーの仕業
なんて言うんじゃないだろうなという懸念と、妙な期待がこみ上げてくる。それにしても何故

丸太のサイズが道幅ピッタリ

なのだろうか?ここまで30秒足らずの映像だが、そんなことを考えているうちに大爆笑。おかげで予告を全部観れなかった。

いよいよ本編に突入。まずは目撃者に話を聞くために村へ向かう。と、そこへ例の丸太が迫ってきた。 ここで今回探検隊に加わった副隊長の松田が勇敢に丸太を単独で止めに入った。
道の脇に避けるだけでいいじゃん
と観ている誰もが思ったであろうが、新メンバーの紹介の演出としてはちょうどいいだろう。この副隊長、 今回の探検において大活躍するのである。ピンチはまだ続く。丸太をどかそうとしたその時、隊員をサソリが 襲ったのだ。この番組の1つの定番だ。隊長が放り投げてピンチ脱出。

丸太の正体は、坂の上で木材の運搬をしていたゾウの仕業ということだった。真偽の程は怪しいものだが、 まあそういうことにしておこう。村に到着すると、その日はちょうど村の儀式の日だという。そんなバカな。 以前にもこんな展開があった。あまりにもタイミングが良すぎる探検隊である。村人と打ち解けるために 積極的に儀式に参加する隊員たち。村の近くにある巨石を大勢で運ぶというものだが、この解説における サバ読み具合がひどい。
「厚さは30センチ以上、総重量は軽く1トンを超えているであろう!!」
絶対ない。厚さはその半分、あっても20センチだ。表面積はせいぜい1平方メートルだろう。そんなものが 1トンあるわけがない。もう少しマシなサバ読みをして欲しいものである。ともあれ、祭りに没頭する隊員たち。 あまりのはしゃぎっぷりに不安を感じる隊長。そして次の瞬間、白鳥隊員が勢い余って転倒したのだ。 2人の隊員に付き添われ、応急処置のために消えていく白鳥。そして戻った時には

腕を吊っていた

のである。そんなアホな。あれしきの転倒で骨折なんてそんなアホな。そんなわけで隊員を一人失った探検隊。 村人にナトゥー目撃地点への案内を依頼し、いよいよ出発。まずは第1の目撃地点である川へ到着し、 すかさずセンサーを仕掛ける。そして次の目撃地点へ向かう途中、吊り橋が現れた。
「揺らすなよ!!」
とことさら揺れを気にする隊長。らしくない。しかし揺れて欲しくないくせに大勢で一気に渡ろうとする探検隊。
1人ずつ渡れよ!!
と誰かに言ってほしいという視聴者の願いは叶えられぬまま、次なる吊り橋が現れた。今度は先ほどの橋よりも細く 頼りない。さすがに一気には渡れない。しかし
何故か2人1組で渡っている
のであった。あえて危険なことをする隊員たち。素晴らしい。そして緊張感を煽るナレーションが入る。
「谷底に落ちれば、命はない!!」
ちょっと待て。せいぜい高さ5メートルくらいしかないぞ!!そんなのを谷とは言わんだろう。 吊り橋を通過すると、第2の目撃地点に到着。山道をナトゥーが横切ったという場所だ。 ここで隊長は、何故か副隊長に「ちょっと行ってみてくれ」と命令し、目撃時のイメージを 掴もうとする。

イメージを掴んだところで何になるのだろうか?

という疑問が沸き起こるが、「よ〜し、わかった。センサーを仕掛けてくれ」と突っ走る。 副隊長の指揮のもと、次々とセンサーを仕掛ける隊員たち。そして第3の目撃地点へ再び移動を 開始。しかしその途中、ガイドはこれ以上は危険なので行きたくないと立ち止まってしまう。 仕方なく探検隊だけで進むこととなった。

山中に分け入った隊長は、そこで倒れた2本の竹を発見。周辺の調査を命じると、そこには 何者かに噛み砕かれたような骨が。 センサー設置後、アタックキャンプに2人を残してベースキャンプに戻った探検隊は、 市場で買った高麗人参を煎じて飲む。力がみなぎる隊員であった。

翌朝、アタックキャンプからセンサーに反応があったと連絡が入る。アタックキャンプの 隊員に待機を命じ、通訳たちを残してダッシュする隊長ほか。そして到着したのは連絡が 入った1時間後であった…

おせーよ!!

1時間も放置しておいたら、どこかに行ってしまうに決まっているだろうが。ナトゥーが 危険な生物だからとは言え、みすみす発見の可能性を潰しているようなものではないか。 気を取り直して周辺を捜索する隊員。ここでナトゥーの糞らしきものを発見し、回収を命じる 隊長。ひとつ回収し、さらにもうひとつを回収しようとする隊員。ここで隊長、

「おいおい、1つでいいだろう。1つでいい。」

と注意。面白すぎる。それにしても、別に映しておく必要はない場面だと思うのだが。 ベースキャンプに戻った探検隊は回収した糞を分析。何かの種が大量に見つかり、ナトゥーが 果実を好むことが判明する。

負傷した白鳥隊員からの報告に従い、ナトゥーに詳しいというアカ族に会う一行。そして教えられた 山を目指して移動していた時、前方の山頂付近にナトゥーらしき黒い影を発見する。ここで 隊長は、その山のふもとにベースキャンプを張ろうと提案。ここまではいい。しかし、
「明日、朝一番であの山の山頂付近を調査してくれ」
と指示。待てコラ。発見したのは昼間だ。キャンプを張ってから調査を開始した方が良いのではないか? なぜ次の日まで待つ必要があるのだろうか?まるで発見したくないみたいである。

結局、翌朝隊員3人で調査に向かうこととなった。隊長はキャンプで待機し、調査現場まで誘導する。 到着後、他の隊員にセンサー設置を命じ、やはり自分は動かない隊長。もう歳なのだろうか? 先発の探索チームはナトゥーのものらしき爪とぎ跡を発見。さらには洞窟を発見する。ナトゥーの 住処である可能性を考え、ここにもセンサーを設置。翌日、隊長も出向き、洞窟にトラップを仕掛ける。 一度洞窟に入ると、自動的に竹製の柵が入り口をふさぎ、出られなくなるというものである。その夜、 センサーに反応があったが、
「今日はもう遅い。明日にしよう」
と、またしても発見のチャンスを自ら棒に振る隊長。まあ今回は夜だから良しとしよう。そして翌朝、 洞窟に到着すると、そこにはふっ飛ばされたカメラ、破壊された柵、引き裂かれたニシキヘビが転がっていた。 ナトゥーの凶暴性を見せ付けられた一行。さらにその場を去ろうとした時、隊員を巨大落石が襲う。
「逃げろ!!」
叫ぶ隊長。不自然極まりないゴロン、ゴロンという効果音と共に転がり落ちていく岩。しかし何かおかしい。 その疑惑を決定付けたのは、その"岩もどき"が細い立ち木に当たった時だ。

ポーン

と木に跳ね返る岩もどき。本物の岩ならこんなことが起こるわけがない。良く見てみれば、不自然な丸み、 やたらとバウンドするその動き、ウソ丸出しの効果音など、ヤラセ要素満載である。最高だ。

ともあれ、気を引き締めなおした一行は次なるトラップ作りをはじめる。深さ3メートルの巨大落とし穴、 木で組上げたバナナ付き檻がそれである。特にこの落とし穴が見事なデキだ。両方にセンサーをセットして 準備完了。キャンプに戻り、その時を待つ。

すっかり夜もふけた頃、ついにセンサーが反応した。どうやら檻に捕らえたようだ。一行が到着するや否や、 急に暴れだすナトゥー。いや、まだナトゥーであるかは分からない。檻を破壊せんばかりに暴れるそれを 大人しくさせるため、檻をロープでグルグル巻きにする。なんとか収まったものの、そのパワーにびびり、 手を出せない隊長ほか。
「キャンプに戻ろう!!明日の朝また来よう。」
と隊長。うそーん。朝まで待ったからといってどうなるというのだろうか?とりあえず檻の隙間からでも その姿を確認するくらいのことはしておくべきではないだろうか?しかし結局そのまま帰ってしまう一行。 そして翌日、再び訪れた時には、檻はもぬけの殻であった。そりゃそうだ。

しかし今度は落とし穴のセンサーが反応する。なんというタイミングの良さだ。すぐさま落とし穴に向かった 一行だが、そこにいたのは熊であった。はぁ。

というわけで、当たり前のようにナトゥーを捕獲できなかった探検隊。もっとも捕獲することなんて期待してないし、 ヤラセである以上それはあり得ないのである。

いかに面白いヤラセが盛り込まれているか

という点が一番重要なのである。そういう意味では今回の探検はかなり見所があった。初登場の副隊長松田の 功績も大きい。蛇のスペシャリストとなった大和隊員も、将来の隊長候補と言える。なかなか収穫の多い 探検であった。さらに今回も最後の最後でヤラセを裏付ける映像が映し出されている。エンディングで骨折して 離脱していた白鳥隊員を車で拾うのだが、このとき
骨折した腕でしっかりとトラックの荷台に掴まっている
のである。

完治するのはやっ


TOP PAGE