荻原次晴特別講演会〜次に晴れればそれでいい〜


2003年3月22日(土)曇り。

ノルディック複合・元日本代表荻原次晴が金沢にやって来る。久々に生ツンに会える!ということで行って来ました「荻原次晴特別講演会」。

ツンの生トークは数年前に大阪で聴いて以来2回目。前回は健司の引き出しの秘密(笑)など自分のことそっちのけで双子の裏話などが多くとても楽しかったので今回も 期待して行きました。今回の講演会は、元々新聞社のXX懇話会メンバーを対象としたものだったのですが、一般聴講者募集の記事を見つけた知人より「ツン、来るよ」と教えて 貰い速攻で応募したおかげで聴くことができました(感謝)。

開場と同時に会場入りし待つことしばし30分。
久々の生ツンの感想は「黒い!」これに尽きます。この日の衣装は黒のスーツに黒いネクタイと珍しく正装だったのですが、顔はどこ?というくらい真っ黒に日(雪)焼けした顔にやはりアウトドア派と妙な感心。 あととにかく声のデカさに体育系をしみじみ感じました。すっかり板についたキャスター業の成果か、爽やか度に磨きがかかってます(笑)。 壇上に上がった途端、窓外に広がる雪の山々に「ちょっと、見ていいですか」といきなり嬉しそうに窓に駆け寄り「いいですねー」を連発。しかし場内の地元民にとっては見慣れた風景のため、羨ましがられてもどう反応してよいかわからない観客とのギャップがなんとも可笑しい。

トーク自体はさすがに慣れた感じで、一般のおじさん・ おばさんを引き込もうと兼六園や松井の話題にはじまり、オヤジギャグも交えて自身の体験を熱く語ってくれました。
双子故、健司が有名になってから間違えられ苦労した話などは、自著や以前のトークショー で周知のことなのですが、本人の口からかなり具体的なエピソードを伴って語られるとさすがにじーんとくるものがあります。物真似付の某スキージャンプ選手の地獄→涙の金メダルエピソード には、鼻の奥がツーンとなってしまいちょっとヤバかったです。
各オリンピックでのエピソードからいかにして重圧を克服するか、という説得力ありすぎの有り難い話までとにかくマシンガントーク炸裂で面白かったのですが、いちばんのツボは清水宏保選手を見るときは正面ではなく後に注目!です。
彼曰く「清水の鍛え上げられた太ももは、前から見るとわからないが裏から見るとうおぉ〜とびっくりするくらい太い。彼が走る瞬間の筋肉のしなやかな動き、これこそがアスリートの醍醐味。そういう部分に着目した 映像がもっとあればスポーツを違った角度から楽しめる」とのこと。これには私もそういう映像が見たいっ!と力強く同意(笑)。

終始和やかな雰囲気の中、あっという間に楽しいひと時は過ぎ、来た時と同様爽やかな笑顔を残して去って行かれました。

今回、ファン対象イベントではないため握手はもちろん直接会話など無理だろうと諦めていたのですが、何と思わぬところで会話出来ました。
講演の序盤で最前列に座った観客1人ずつに知っているスキー・スケート選手をあげてもらう、というのをやりまして。私は2列目だったので、順番は回ってこないだろうと踏んでいたのです。(来たらきたで恥ずかしい) 船木や清水などメダリストの名前が挙がる中、1人のおばちゃんが「健司てゆうてほしいんやろ?」のヤジに苦笑するツン。さすがおばちゃんパワー、怖いものなしです。
その後も上村・里谷とモーグルの選手が続き、とうとうとある方に「荻原健司」と言ってもらい、去年の引退会見が丁度直前に迫ったワールドカップでかすんでしまったことなどを嬉々として話すツン。双子とはいえここまで嬉しそうに兄のことを語る弟って・・とちょっと突っ込みたいところです。
ようやく複合の選手が出てきたところで、今度は 「現役のノルディック複合の選手、誰か挙げられる方いますか?」と質問。殆どが寄せ集めの観客の中、ただでさえ地味な複合の現役選手を挙げられる人なんてまずいません。 これはやっぱり答えてあげるべきだよなぁ。でも、ちょっと恥ずかしいと迷った末、とうとう右手を上げた私 を見たツン、笑顔で
「おっいましたね。ハイ、どうぞ」

紫苑「森敏(さとし)と高橋大斗。あ、森さんは今季で引退ですよね」
何故か余計なことまで口走ってしまうバカな私。

ツン「その通り、すごい!マニアですねぇ」
やけに感心されてしまい滅茶苦茶恥ずかしかったのですが、ここまで来たらやけくそです。

紫苑「あの、試合を見に行くくらい(複合)好きなので・・」
すっかり舞い上がってしまい更に余計なことを口走る。

ツン「ありがとうございます!もしかして、私が現役の時も応援してくださってたんでしょうか?」
満面の笑みで問いかけられ、これはもう正直に言うしかありません。

紫苑「はい、そうです」
殆ど顔から火を噴きそうな私に「ありがとうございます!いやぁ本当に何のお礼も出来ませんが ありがとうございます」と深々と頭を下げるツン。来てよかったよ〜〜と嬉し死にしそうな瞬間でした(笑)。そのままにこやかに現在の複合チームの 話に戻ったのですが、しばらくは感激と恥ずかしさで心臓がバクバク言ってまともに顔を見られませんでした。 全然大した会話じゃないし、普通そう言われたら誰でもお礼を言うしかないと思うのですが、この時ほどスポーツバカでよかったよ〜と思ったことはなかった です。

そんなわけですっかり浮かれ気分となった私。帰りはデパートの地下で家族に苺タルトを買って帰り、「あんたはいいけど、また太るモノを」と白い目で見られたのでした。
久しぶりに見た生ツンは相変わらず素敵な青年でした。やっぱりスポーツ選手っていいですね。幸せなひと時をありがと〜。次は是非とも健司の生トークも堪能したい!

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