ちりとてちんロケ地めぐり



2007年6月16日(土)
2007年10月よりスタートのNHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」。
久々の連ドラでなんと半年の長丁場であることに加え、これまでの長いキャリアの中でも京本さんが演じたことのないキャラクターとあって 製作発表から既に期待に胸が膨らみっぱなしです。
そんな中、6月からはいよいよ福井県小浜市でロケがスタート。今回は連ドラ史上初めて福井県が舞台になる、ということで 隣県でもローカルニュースや新聞紙上でヒロインの貫地谷さんが市役所を表敬訪問した、エキストラ大募集等、いつになく 話題にのぼっています。

これまでロケの見学などもちろん行ったことはなく、でも、今回せっかく隣県でロケがあるのなら行ってみたいなー、と 思い、ところで小浜市ってどこだっけ?鯖江のちょっと向こう?と地図で確認すると……。ななななんと敦賀のまだ向こうではないですか!
思いっきりローカルで恐縮ですが、金○からだと福井市〜鯖江あたりは割と気軽に日帰りできる範囲ですが、敦賀と聞くとものすごーく遠いイメージ なのです。(実際、遠いんだけどね)しかも、今回の小浜は敦賀ICから更に1時間ほど先、地図で見る限り殆ど京都府です。ということは軽四だと高速を飛ばしても片道4時間くらい??
思わず、無事辿り着けるかしら、とくら〜っとしかけましたが、滅多にない機会だから行ってみよう!というわけで、気合を入れて行って来ました(^^ゞ。

尚、このロケ地だよりには京本さんはもちろん、貫地谷さんや和久井さんら俳優の方は全く登場しませんので(苦笑)、それでもいいよという方のみどうぞ。


この日は朝から爽やかな風が吹き、ここ数日ではもっとも涼しい絶好のドライブ日和。
とにかく初めて行くところなので時間配分がわからず、現地に着いた途端に帰りの時間、 となることを避けるため、北陸道を西に向かって激走。と言っても哀しいかな軽四の馬力ではどんなに頑張っても120km/hが限度。しかもずっとこの速度ではもちろん無理です。 新緑の季節なので山間の緑が眩しいです。途中、休憩に寄った南条SAでは、巷で話題の”速弁”を初めて見ました。
気持ちよ〜く飛ばしていたら、あれま最初の目標地点の敦賀ICまで2時間弱で到着です。ラッキーこれなら現地でゆっくりできる〜と喜んだのも束の間。ICを出たすぐのところで 道路工事をしているおかげで、そこから抜けるのに30分も要してしまいました(とほほ)。しかし、こんなもん、夜中にやってよね(プンプン)とイライラしているのはどうやら私だけ。現地の 方々はドライバーも交通整理係のおじさんでさえ、の〜んびり。普段から北陸3県の中では真ん中の県民だけが異様にせっかちなのを指摘されている当地ですが、今回もしみじみと実感してしまいました(^^A。

ようやくプチ渋滞から開放され、小浜まで有名な美浜原発や若狭湾の美しい緑色の海を横目に国道27号線をひた走ります。1時間ほど走ったところでようやく小浜市の表示が見えてきました。
でも、ロケが行われている小浜市の中心部はまだ先です。どこまでも続くと思いそうな山間の道を更に30分ほど走ったところで遂にお目当ての小浜市街の看板がお目見え。

初めて見る小浜市は、こぢんまりとした静かな港町です。土曜なのも手伝って町全体がひっそりとした空気に包まれている印象です。ホントにこんなところでロケが行われるのかなーと思いつつ、 どこかに黒山の人だかりとかないかなーと探してみましたが、もちろんそんなものはなく。
とりあえずロケが行われていると思われる”小浜中学校”がある西津地区へ。途中の清滝という交差点のすぐ前が小浜湾になっていて漁船が数隻停泊していました。
橋を渡りしばらく適当に走った途端、グラウンドで練習に汗を流す生徒達の姿と、壁面に大きく”目指せ甲子園”の文字が。そろそろそういう時節だなー、あぁいう風に素直に目指せ!って言える学校は 羨ましいなぁ、と永遠の弱小高出身にはないものねだりなことを思いながら、更にまっすぐ行くと、何だかどんどん寂しい風景に(汗)。これは来過ぎたとどこかで引き返さなきゃ、と思った矢先に 若狭・小浜 お箸のふるさと館が出現。
せっかくなので、休憩がてら寄ってみることに。
館内は右を向いても左を向いてもお箸だらけ。色とりどりの鮮やかな綺麗なお箸がいっぱい。普段使いの数百円のものから贈答品か鑑賞用(?)の高価な作品までかなりの充実ぶりでした。煩く寄って来る 職員もおらず、ぶらりと入るには嬉しい無料開放。ちょっと休憩するには絶好の場所でした。

気を取り直して小浜中学校を探すべく、来た道を戻り西津橋の手前を右折すると、、、ありました!小浜中学校の文字が。しかも、校門を入ってすぐのところにマイクロバスと、いかにもそれっぽい黒Tシャツを 着た男性が数人睨みをきかせています。
まさか校門前に車を止めるわけにもいかず、どこか裏口にでもと探したのですが、道が細く入り組んでいて近づけず、結局3周ほどぐるぐる回った挙句に橋近くの コンビニに停めて歩くことにしました。

校門前は相変わらず先ほどのスタッフらしき方々が固めていたので、どう見ても学校に用があると思えない小心者の身ではそこから入って行く勇気はなく。でも、学校なら裏口とか横からどこでも入れるもんね! と回ると拍子抜けするほどあっさりと中に入ることができました。
そのままとりあえずグラウンドに行くと、土の上に紐が張ってあり、中ほどには機材を沢山積んだワゴン車と、休日の寂しい学校には不似合いなくらい派手な”体育館特設ステージ”の看板が。 こっそり裏から正門の方を見ると先ほど見えたマイクロバスの他にも何台もの車が止まっています。
何かありそうだけど、ウロウロしていたら不審者と思われそうで、かと言ってそのまますぐに立ち去るのもアレだし、と校舎の傍に戻るとどう見ても人の気配がします。 勝手に入って怒られるかなーとドキドキしつつ、気配のする方に行って見ると、いかついおじさん達が体育館の周りにどっかと腰を下ろしていました。
陸上競技大会、云々の立て看板もあり、一瞬、このおじさん達は父兄の方で今日は本当に陸上競技大会とかそういうのなのかな?と思いましたが、やっぱりどう見ても生徒の親御さんには見えず。 さりとて「今日撮影があるのですか?」なんて他所から来た後ろめたさもあってとても聞けず(^^ゞ。
でも、せっかく来たのだから と恐る恐る体育館の中を覗いてみると、沢山の人の荷物とちらほらと学生の姿がありました。

やっぱり違うのかなー、とそのまま正門の方へ歩いていくと、新緑が眩しい木々の間に明らかに場違いなピンク色が見えます。 あれ、怪しいなーと近づいて見ると、1本だけ満開の桜の木が上手い具合に差し込んであります。そのままふと横を見ると”小浜第二高等学校”のプレートが 壁に貼ってありました。
あれ?、確か本物の外の校門には”小浜中学校”と立派なみかげ石に彫ってあったはず。 これは間違いない、ホントにここで撮影してるんだなーと納得した瞬間でした。偽物の桜の木の前では、女性スタッフの方が丁寧に枝や花の手入れをしていて、その傍では 男性スタッフの方がコードを持って忙しく立ち働いています。
ライブ会場や色んな催し物の場などでも、せっせと働く裏方さんの姿を見ることがありますが、こういう決して陽の当たらない世界で黙々と 働く人達がいてこそ、だなと改めて頭が下がります。一般の会社や官庁で働くモノからしたら想像もつかない苦労があるんだろうなーと、暑い中恰好構わず働く人々を見てしみじみしてしまいました。
でも、肝心の出演者の方の姿はどこにも見えません。時刻は朝の11時半過ぎ。きっと午後からの撮影に備えての準備なのかな、残念だけど今こうして見た景色が実際の ドラマの中ではすっかりそれらしく綺麗になって見えるんだろうなー、どんな風に変わってるのかちょっと楽しみ、と納得して正門を後にしました。
そうそう、最初に見たマイクロバスのフロントガラスにはしっかりと”NHK大阪”の 表示がありました。

中学校の次は、せっかくなのでここでも撮影が行われていたという”いずみ町商店街”へ。とりあえずこの近くだろう、というところで車を止め、散歩も兼ねて界隈をぶらぶら。 大小の民家が立ち並ぶ本当にどこにでもありそうな、小さな小さな田舎町です。”さば街道”で知られるこの辺り、歩いていてもどことなーく鯖の香りが漂ってきます。 程なくして”さば街道起点”の表示を発見。ありました!写真がなくて申し訳ないですが、路地の一角と表現できるくらい、全長でも10mあるかないかの小さな商店街です。
こちらでの撮影は既に終了していたようで、その時だけ存在した”小浜食堂”などの表示はもうなく。ひっそりと閑散としていました。
たまたまネットで、現地の方がこんなところで撮影が、という文を目にしましたが、現地の方がそう言われるのも頷ける、地元の近江町市場や、以前旅行で訪れたおかげ横丁や、神戸のフラワーロードや南京町のような賑やかさとは全く異なる、密やかとさえ 言えるこの場所がほんの一瞬でも華やかさに包まれたのかな、と思うと不思議な感じでした。


そんなわけで、あわよくばちらりとでもいいから、撮影というものを見てみたい!と思った田舎モノの願いは虚しく散りましたが、初めて訪れた小浜は静かでゆったりと落ち着くいいところでした。
ひと時だけでも味わったあの空気が、実際のドラマではどんな風に見えるのか今から楽しみです(^-^)。

あっそういえば。以前にちらりと書いた福井弁。縦に長い福井県では福井市を中心とした嶺北地方と敦賀周辺の嶺南地方に別れ、方言も北と南で異なるそうで。小浜で出会った数少ない現地の人々が話す言葉は、私も耳にしたことがある東北かと聞き間違う独特のイントネーションではなく、 あまりなじみの無い、でもやっぱり訛っていてイマイチ何を話しているのか解りにくい嶺南地方(?)の方言でした。記者会見で和久井さんや貫地谷さんは福井弁の苦労を話されたそうですが、実際のドラマではどんな会話になっているのかこちらも楽しみです。

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