フィギュアスケート観戦記



2002年3月21日行って来ました長野エムウェーブ!
何しに?ってそれはフィギュアスケート世界選手権大会を観戦するためです〜。 朝8時に金沢を出発し、高速道路を快調に飛ばし約3時間後、長野に到着です。一応補足しておきますと金沢から長野へ行くにはお隣の富山〜新潟県をへて行きます。当日はかなり風が強かったものの晴天に恵まれ、3月下旬とは思えない暖かさで絶好のドライブ日和でした。長野市へ入る前に、小布施(おぶせ 栗の名産地)でおいしい栗おこわと栗ソフトクリーム (ほんのりと栗の味がして美味でした)でお腹を満たし、ホテルにチェックイン後早速会場へ。長野市周辺はものすごい強風であちこちで看板が倒れていたり、道を歩くときも 目を開けていられない、会話をすれば口の中に砂が飛んでくるいった状態で、タクシーの運転手さんも恐々の運転でした。


さて、初めてのフィギュアスケート観戦!入り口に足を踏み入れた途端ひんやりとした空気が流れてきます。「むむむ、やっぱり会場内って寒いのね」と思いきや、いざ会場に入ってしまえば風もなく至って快適な温度です。もちろん半そで短パンでは無理ですが薄手のセーターにコートをはおれば丁度 いいくらいです。(注:とても厚着でカイロを握り締めていた方もおられたので、日頃暖かい地域にお住まいの方には寒いのかもしれません。少なくとも私にはノルディック複合観戦時の鼻水も凍る寒さを思えば、天国のように暖かく感じました 爆)
この日の競技は昼間はアイスダンスのオリジナルプログラム、夜は男子シングルフリーです。お目当ては男子シングルですが、せっかくなのでアイスダンスから観戦です。 初めて目にする競技用のリンク、最初の感想は「うわー思ったより全然小さい」でした。TVで見るととても広々としていたように感じていただけにビックリ!
しかも客席の殆どは仮設スタンドで、リンクを取り囲むように組まれこじんまりとした雰囲気です。天井からスピーカーが吊るされ音楽はそこから流れます。審判席ってホントにリンクの目の前だ〜、端から端に渡された電線のようなものを移動しながら撮影するカメラなど 些細なことにいちいち感動しながら観戦開始です。実は私、跳んだり跳ねたりが大好きなのでアイスダンスはあまり熱心に見たことがないのですが(苦笑)、氷の上で軽やかなステップを次々と披露し踊るこれもなかなか楽しいなぁと認識を新たにしました。

半分の選手が滑り終えた時点で整氷タイムです。おや?何やら”じょうろ”を手にした人が大勢出てきました。??と思っていると、皆リンクの上に水をたらし始めます。どうやら特に磨り減った部分に撒いているようです。へぇ面白いなぁと思っていると、今度は大きな整氷車がやってきました。車の側面には懐かしい長野五輪のマスコット・スノーレッツの絵が!リンクの上を端から丁寧にならしていきます。少し”しろかき”(稲を作る工程で田おこし後の田んぼに水だけをはり、表面を均一にならす作業)と似ています。傷だらけだった表面がみるみる綺麗に なっていく様はなかなか見ものでした。
この時間の内に買い物を済ませよう、ということでグッズ売り場へ移動です。
今回どうしてもやりたいのがリンクに花束を投げ入れること(爆)。そのために花屋を探したらありました!ちゃんとTVで見たように小さな花束で上をしっかり結んであります。ちなみにこれ花が2種類入っていて5百円です。最大のお目当てエフゲニー・プルシェンコが突然キャンセルしてしまったため、急遽相手を本田くんに変更(笑)し、 真っ赤なスプレーバラとかすみ草のセットを購入。これでいつでも準備OKです。

アイスダンス終了後、一旦長野駅まで行きちょっと早い夕食を済ませ、いざ本番!と再び会場に戻ると既に男子の演技は始まっています。先程まではかなり空席の目立った客席がさすが男子フリー、既にほぼ満員です。目の前で見るジャンプの迫力にやっぱり生は違うなぁと大喜び。ジャンプって着地の時ではなく踏み切る瞬間に「ガッ」という音がするんですね。
フィギュアスケート男女シングルフリーは順位が下の選手から6人ずつ4つのグループに分けグループ毎の滑走順はクジ引きで決定します。なので第1・2グループあたりはそんなに高度な演技をする選手はいません。そんな中ビックリしたのが第2グループで登場した中国のミン・シャン選手。
難度の高いジャンプを次々と決め、中盤のスローでの表現力も見事なもので、近いうちにきっとメダル争いに食い込む選手になることを期待させる内容でした。

第3グループも残り僅かといった時点から、最終グループへの期待で会場は異様な興奮状態(笑)。滑走前の練習になり皆さんお目当ての選手が登場した途端、ここはジャニーズのコンサート会場か!?というくらいの嬌声・歓声・フラッシュが飛び交います。(フラッシュは禁止とあれだけアナウンスがあったにも関わらずです。皆さん節度のある応援をしましょう)いや〜あまりの凄さにびっくりしました(苦笑)。
それでも私もやはり目の前にヤグディンが、ゲーブルが、アブトが、本田くんだ〜と目をウルウルさせて食い入るように見てました。私プルシェンコのファンなのですが、 ヤグディンのあまりのカッコ良さにすっかり目は釘付け!だってもう全身からオーラ出てるんですよ。あっちでこの選手が跳ぶたびキャー、こっちで飛んでもキャー、まさに会場中が巨大動物園に入れられたサル状態(笑)。夢のような練習タイムはあっという間に過ぎ去り、興奮冷めやらぬままいよいよ最終グループの演技です。

第一滑走は日本期待の星(笑)本田くんです。もうアナウンスされた瞬間から大歓声です。「アランフェス協奏曲」の調べに乗りいよいよ演技開始です。
何だか自分のことのようにドキドキしてしまいます。最初の4回転ジャンプが決まった瞬間、ものすごい歓声でした。もちろん私も我を忘れて拍手です。終盤の転倒シーンでは「ガンバレ!」と大声がすぐさま飛んだのが印象的でした。ややミスがあったもののオリンピックでも見せてくれた指先まで神経が行き届いた滑らかな表現力はやはり見ごたえがありました。演技終了と同時に手が痛くなるくらい拍手をしながらもここからが勝負です。ものすごい人数のお嬢さんたちが一斉に 階段を駆け下りていきます。
私も「じゃ、行って来るね!」と気合を入れダッシュです。若い子に負けじと投げ入れた花束はちゃんとリンクまで届きました!皆の声援に応える本田くんを振り返りつつもダッシュで席まで戻ります。何しろ次は今回の最大の目玉、王者・ヤグディン選手なのです。本田くんの得点にこれなら、もしかしたら・・と一縷の望みを抱きつつヤグディンの演技への期待で胸を膨らませます。

名前がコールされたのも聞き取れない程の大歓声の中、いよいよ演技開始です。
「仮面の男」が流れる中、オリンピックで見慣れたあのプログラムが目の前で再現されていきます。
のっけから4+3+2回転コンビネーションジャンプの大技を目の当たりにし、 感激でいっぱいです。
その後も次々と見事なジャンプ、流れるようなかつ力強く精確なステップにもう大興奮!!途中から足が震えてしまいました。
4分30秒の演技が長いと少しも感じることなく、このままもっと見ていたいと願う中とうとう終了です。目の前でこんな素晴らしいモノが見られたことへの嬉しさと感激でもう胸が一杯です。
これだけでここに来た甲斐があったというものです。だって、目の前で文字通り世界一のスケーティングが披露されてるんですよ!!一緒に来た友人も「すごいねー。生は違うね。TVで見るよりもっとすごい。感動した」と感激しきりでした。沢山の人がスタンディング・オベーションで讃えていました。そして恒例の花束タイム、スタンドが壊れるかと思うくらいの人波が押し寄せていきます。その様子に投げる相手をヤグディンにしなくてよかったとしみじみ(笑)。 だって本当に怖かったんだもん。と同時にこれでプルシェンコが来ていたら・・と思うと自分の行動の予測がつきません(爆)。

その後も続々と登場する世界のトップスケーターの演技を堪能し、最終演技者・ゲーブルの得点が出た時点で本田君の銅メダルが確定しました。おめでとう!よかったね。まぁ、プルシェンコ不出場のおかげと言ったら身も蓋もないのですが、やっぱり嬉しいものです。本人もこれで満足はしていないでしょうし、これからも努力を重ねていつかロシア勢を脅かす存在になってくれるようお姉さんは祈ってます(笑)。表彰式では演技終了直後の悔しそうな表情とは打って変わり、本当に嬉しそうな笑顔が印象的でした。
それにしてもヤグディンのサービス精神にはビックリ!!本田くんへのメダル授与の時には、抱きついて祝福してあげるわ、表彰式終了後、そのままひきあげるかと思いきや、残りの2人を促し場内一周をして皆に手を振り声援に応える姿は本当に素敵でした。いちばん最後までリンクに残りいつまでも手を振り続けるその姿にすっかりファンになってしまいました(苦笑)。本当に素敵な夜をありがとう!!

翌日は安曇野の美術館巡りをし大満足で帰宅しました。とっても充実した2日間でした〜。
やっぱり生はいいですね!また機会があればもう一度あの感激を味わいたいものです。


おまけ
帰宅後、興奮してあーだこーだとスケート会場の様子を話す私に姉より連絡が。
「アンタ、昨日ピンクの服着てなかった?」
「うん。ピンクのニット着てたよ」
「やっぱり・・。会場のXXX辺りにおらんかった?通路の割と近く」
「うん。通路のすぐそば」(この時点で既にイヤな予感が・・・)
「やっぱり!!アンタTVに映っとったよ。本田くんの演技のすぐ後で。真剣に手叩きすぎ(笑)」
ガガーン!!!ななななんと競技に夢中になりすぎて真剣に感激した私。えぇそりゃーもう手が割れるくらい拍手してました(爆)。その様子はしっかりカメラが捉えていたのですね。とほほほ。
姉は慰めるように「大丈夫映ったの1回だけや」と言ってましたが恥ずかしすぎる〜〜。

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