● 風のセーラ ●

OVA『トウキョウバイス』主題歌にもなった京本さん3枚目のシングル。この「風のセーラ」は同日に2枚同時発売されたアルバム「少年たちの夜」「太陽のかけら」にそれぞれ 別アレンジバージョンが収録されており、このシングル版と併せて実に3バージョンが同時に楽しめます。
また、当時事務所を独立し、小さな仕事からコツコツと積み重ね、様々なドラマやバラエティーに引っ張りだこになっていた 京本さんですが、この曲で夜のヒットスタジオDXに出演を果たしました。名だたる歌手に混じり、熱唱する京本さんに胸を熱くした方も多いはず。
尚、カップリングの『フライトナンバー62』については、同時発売のアルバム「少年たちの夜」に収録されているため、ここでは割愛します。


『風のセーラ』
打ち込みのリフから始まるイントロにクラップハンド、各種パーカッション、シンセサイザーが重なっていく16ビートサウンドが心地よく、シングルらしい 軽やかさに溢れた1曲。歯切れのよさの中に力強さが漲るヴォーカルが印象的でいつにも増して歌詞がはっきり聞き取りやすく耳に残ります。
Bメロの ♪おまえを連れて行きたくなるよ の♪なるよ の部分だけコーラスがぶわっと被るのが気持ちイイ。前半はこれでもか、というくらいに パキパキと跳ねるように歌うのに対し、♪時を忘れたーーー からサビの♪Oh,セーラ 哀しみの数だけーーーー にかけては刷毛で壁を塗るように全体的にべたーっと途中で力を抜くことなく、 同じ音量で歌いきっているのが新鮮。終始一貫したバックの無機質な打ち込みとの対比が一層引き立ち、よりカッチリした印象を与えてくれます。
個人的には最後の♪殺したいほど の”たい”を強調した歌い方がカッコよく聞くたびにうぉっとなってしまいます。
3バージョンを続けて聴くと、アレンジごとにまったく歌い方が違うのがよくわり、曲作りだけでなくヴォーカリストとしても表現の多彩さににんまりさせられます。


side A風のセーラ
side Bフライトナンバー62

作詞作曲:京本政樹 編曲:船山基紀

1987年11月1日

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