● I Love You Forever(仮) ●

シンガーソングライター・京本政樹の魅力を勝手に語りまくる音楽ページ。今回は番外編です。
2012年6月現在、ニッポン放送にて毎週月曜夜9時〜9時20分、絶賛放送中の「京本政樹のラジとばっ!」。6月18日はファン待望の未公開音源満載特集でした。
必殺のお馴染みすぎる♪ぱらぱ〜のらっぱミスりver.(個人的に恐ろしく聴いてみたいっ!決まると気持ちいいしカッコいいけど、アレ意外と難しいんです)や鮎川いずみさんの「女は海」。瀬戸つよし さんの「女は海」ラッパが多いバージョン(これも非常に気になります 笑、想像しただけで気持ちよさそうです)等、ファンにとってはたまらない音源の数々の 最後に流れたのが今回とりあげる1曲。とある企画のために製作されたものの、諸事情によりお蔵入りとなってしまった幻の名曲『I Love You Forever(仮)』。
本来ならば、私が住む地域はニッポン放送が欠片も入らない(昔からニッポン放送や文化放送を聴こうとラジオのアンテナを伸ばすとコリアン放送がクリアに聴こえるという) 聴取圏外のため、ラジとばっ!は聴かれた方の感想から想像するのみ、だったのですが、今回なんと京本さんの公式サイトにてこのレアすぎる音源を公開してくださった おかげで聴くことが出来ました(大感謝)。



『I Love You Forever(仮)』
いきなり♪I Love You Forever とサビ始まり+山本はるきちさんテイスト全開な打ち込みアレンジ等から『まるで悲しみが雨のように口づける』の裏(女声)ヴァージョンを彷彿とさせる メロディアスでダンサブルなロックナンバー。
これに関しては、聴いた当初からファンの間でもそんな声が上がっていたとおり、京本さん自らHP上でタネ明かしをしてくださっています。

Aメロの♪悲しみが〜遠く遠く で見られるアウフタクト(弱起)始まりの16分音符+全音符に代表される、これまでにありそうで、意外となかったテイストがあちこちに散りばめられていて聴きやすいながら、とても新鮮な印象です。
京本さんの作られるメロディーはどれも音運びに無理がなく、耳馴染みがよいのが特徴ですが、この曲でもその良さが全編に散りばめられ、一聴しただけですらっと歌えてしまうほど。サビの部分に重ねられるコーラスが、とても心地よく メロディーの良さを際立たせてくれています。
また、自身ではなく他者のために書き下ろしたためか、歌詞にも普段の曲とは違う色が濃いのが特徴です。”その手を伸ばしたらきっと届くはずさ 未来は風の向こう いつか辿り着ける” すれ違う男女の悲哀を歌うことが多い京本さんには珍しい、いつになく前向きな歌詞が、けれどもマイナーコードに載せて綴られるのが心憎いです。
全編シンセによる90年代っぽさが色濃く滲む打ち込みサウンドが、どこか懐かしい曲調にぴったりと嵌る一方で、尺八風なシンセや打ち上げ花火のような効果音等、和風というか、中華テイストがほんのり感じられるのも密かな聴きどころです。
随所で見られるビブラートのかけ方や、ブレスの取り方、とりわけ二番でのサビ部分♪I Love You Forever 永遠だね の永遠だねの部分の歌い回し等、京本さんの自身の歌いっぷりを連想させる箇所がいくつもあるのがファンには嬉しく、 ご本人による歌唱も是非聴いてみたいっと思わずにはいられません。

全体的には全く違いますが、コード進行やマイナー調な雰囲気が90年代を代表するアニメソング「残酷な天使のテーゼ」を彷彿とさせ、 このままどこかのアニメのOPやEDで使われてもおかしくない印象すら受けます。京本政樹がアニメ主題歌を創ったらこうなります!という見本のようで、まさに貴重な音源です。

ところで、この曲は残念ながらお蔵入りとなってしまったため、タイトルにも仮とあるように仮タイトルのままです。もし、これが世に出ていたらどんな最終タイトルがつけられたのか、非常に気になるところです。



作詞作曲:京本政樹 編曲:山本はるきち

2012年6月18日公開

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