● 水戸黄門(第24部)3話「恋しい人は凶状持ち」  ●

昭和44年8月のスタート以来、お茶の間の人気を博し続け、今も尚続く国民的時代劇『水戸黄門』シリーズ。
この第24部では、前シリーズに引き続き、黄門さまに佐野浅夫さんが扮し、日本全国津々浦々悪人退治の行脚を繰り広げました。
全36話と半年以上の長いシリーズのうち、今回ご紹介するのは第3話「恋しい人は凶状持ち」です。

箱根を超え、駿河藩へとやってきたご老公ご一行。久能山東照宮への参拝への道中、海辺で猟師達がヤクザものに襲われているところに遭遇。1人の若い渡世人風の男が奮闘しているのを見かねた 助さん(あおい輝彦)、格さん(伊吹吾郎)が助太刀に。漁民たちが言うには、ヤクザの後ろには駿府代官がついており、 手の打ちようがなく、訴えようにもヤクザの親分・綱五郎には大名すらも一目置く存在だという。
そんな折、綱五郎の元にお尋ね者である清太郎(沖田浩之)が戻ってきたという連絡が入る。 血眼になって清太郎の行方を追う綱五郎一家の動きに不審を抱いたご老公が調べるうち、清太郎とは、先の海辺で助けた渡世人風の若い男であることが判明。 しかも、その裏には5年前に清太郎が起こした事件が絡んでいるらしい。清太郎から事情を聞いたご老公が、彼の汚名を晴らすため、飛猿、名張の翔らとともに立ち上がる……。

『かげろう忍法帖』でお馴染みの名張の翔が、遂に本家本元『水戸黄門』に登場です。
のっけから赤紫の羽織を纏い、涼しげな流し目で決めたお姿は、相変わらずというか、外伝では紫だったマフラーが赤になっているのもあり、とにかく目を惹かずにはいられないカッコよさ。 相変わらずの一匹狼っぷりに加えて、何気に出番が多いのが嬉しい限りです。
お馴染みの駒で敵を撃退するシーンや、前半の前髪がある渡世人スタイルでの立ち回りで見られる、 これぞ名張の翔!とも言うべき、京本さんならではの所作にはまった気障っぷりがたまりません。
更にお約束の立ち回りはもちろん、クライマックスの悪人との対決で見せる「裏切ったんじゃねぇ。表返っただけだ」と言う際のニヒルな笑みには、もう「参りました〜(><)」状態(笑)。
また、個人的にはラストのお銀とのやりとりで見せる、話の内容とは裏腹な気のなさぶりが溢れる表情に是非、注目してほしいところです。

とにもかくにも、最初から最後まで見どころたっぷり、飽きることなく楽しめる1本です。

1995年10月30日

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