● UFO・翔んだ  ●

フジテレビが『単なる学園モノとしての括りではなく、若い人を主役にしたドラマを作りたい。子供たちの意識を盛り込み、ドラマ作りを通じて現代っ子の価値観をともに模索したい』との意図で1980年4月にスタートした学園危機一髪シリーズ。
それまでの青春ドラマにありがちな、簡単にわかり合い、涙する安易な青春の拒否、という意気込みで始まったこのシリーズは、毎週土曜夜7時30分開始にちなみ、「ナナハン・ドラマ」と呼ばれ、当時としては珍しい90分1話完結方式で今日の2時間ドラマのさきがけとなりました。

今回紹介する「UFO・翔んだ」はこのシリーズ最終話。
東京のとある高校のUFO研究会を舞台に、様々な悩みや将来への不安を抱えた生徒たちが、田舎にUFO発見と称した夏合宿に出掛け、そこで出会った老人たちとその世話をする若い女性とのふれあいを描いた一風変わった青春ドラマです。
京本さんが演じたのは準主役のUFO研究会部員・三田村光一。高3という人生の岐路でやりたいことも見つけられず、母一人子一人である母親との葛藤に悩み、皆が田舎の開放感ではしゃぐ中、1人もの思いに沈んだりもするちょっと翳のある役どころです。
まだ少年のあどけなさが色濃く残る、メイクも殆どない素顔が初々しい京本さん。台詞回しや何気ない仕草にもまだまだ駆け出しの感が漂う中、あの今にも吸い込まれそうな目力と表情の豊富さが既にあることに驚かされます。主役である教師役の黒沢年男さんや、老人役の宮口精二さんとのシーンでは、こちらがハッとするような印象的な表情をされているのが見逃せません。
更に、ドラマ中、白い足が何とも眩しい短パン姿(!)や、見事な倒立を披露されているシーンもあり、今では考えられない貴重なお姿に視線は釘付けです(笑)。
その他にも、デビュー間もない田中美佐子さんがちょこっと出演されていたり、こちらもある意味とても貴重な菅井きんさんの艶やかな水着姿まであったりと、なかなか盛りだくさんなドラマです。

また、甲斐バンドが歌った主題歌「漂泊者(アウトロー)」は当初、番組プレゼント用にA面のみが製作されていたものが、なんと60万通もの応募が殺到し、急遽正式なシングルリリースが決まったというエピソードが残っています。

1980年9月20日

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