● ウルトラマンティガ  ●

昭和40年代、子供たちに絶大な人気を誇った「ウルトラマン」を始めとしたウルトラシリーズ。
そのウルトラマン生誕30周年記念番組として、円谷プロが総力を結集して製作されたのが”平成のウルトラマン”「ウルトラマン・ティガ」。
ティガであるダイゴ役にV6の長野 博クン、隊員の華であるレナ役に初代ウルトラマンで主役を演じた黒部 進氏の愛娘・吉本多香美さんを起用し、1996年9月7日の放送開始以来、子供たちはもちろん、主婦やOL、往年のウルトラマンファンまで幅広い年代層の人気を獲得しました。
「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンガイア」平成のウルトラ3部作の中でも最高傑作として未だに高い評価を受けているシリーズです。

さて、特撮ファンの間で京本さんといえばウルトラマン(笑)、というくらいウルトラマン、特撮を愛しそれぞれの作品への造詣が深いことで知られています。円谷プロと強力タッグを組み、書籍の出版や映画製作・出演、「京本コレクション」と銘打たれた玩具プロデュースまでその情熱の深さは芸能界、いや日本一と言ってもよいでしょう。
そんな京本さんが役者として花開いた80年代以降、日本ではウルトラマンシリーズは製作されていなかったため、あれだけ熱望していたにも関わらず、出演することは叶いませんでした。
それが遂に実現したのが第48話「月からの逃亡者」。
人間を繭に閉じ込め、その人間に変身する能力を持つエイリアン=メンジェラ。そのメンジェラにより基地を破壊されたハヤテ隊長はGUTSの隊員とともに、地球征服を目論むメンジェラの野望を阻止するべく奮闘するのだが……。

この話で京本さんが演じたのは、今回の話の主役とも言うべきガロアのハヤテ・シン隊長。
GUTSのイルマ隊長(高樹 澪)と同期で厳しい彼女が尊敬し目標とするほどの人物という設定。
出演に際し「ギャラはいらないからその代わり……」と頼み込んで作ってもらったというライトブルーの隊員服に身を包み、部下とともにレーザーガンを打ちまくるシーンから始まるこの話、最初から最後までもう気合入りまくりの京本さんがとにかくカッコイイ!!ちなみにこの隊員服、京本さんの為に作られただけあって、本当によく似合ってます。何もしなくてもそこにいるだけで絵になってしまう、ハヤテ隊長。そのあまりのカッコよさに困り果てた監督が、主役の隊員たちより目立っては、と意地でもアップにしなかった、なんてエピソードがあったほど(笑)。

30分という短い時間にも関わらず、見どころ満載なこの話。冒頭のシーンも捨てがたいのですが、それ以上にお薦めなのがラスト・シーン。ぶっきらぼうだけれど、人一倍照れ屋という性格を反映したかのような仕草と言葉はストーリーにもぴたりと嵌り、何とも言えない余韻を感じさせるいいラストでした。このハヤテ隊長は最終回「輝けるものたちへ」にも登場しており、こちらも合わせてお楽しみください。
また、主役であるウルトラマンティガのスーツというか着ぐるみの精巧さ、これには目を見張るモノがあり必見です。初代ウルトラマンから30年、技術の進歩の素晴らしさに唸ること請け合いです。

実は特撮モノに出る京本さんは……(ーー;、なんていう貴方、騙されたと思ってレンタル屋さんに走ってみませんか?

1997年8月2日,8月30日

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