●  下北サンデーズ ●

『池袋ウエストゲートパーク』『アキハバラ@ディープ』などで知られる石田依良氏が月刊誌パピルスに 連載した『下北サンデーズ』(幻冬舎)。下北沢を舞台に、演劇にかける若者たちの姿を軽快なタッチで描いた青春小説。
この作品を元に『トリック』シリーズで知られる演出家・堤幸彦と音楽だけでなく様々なアートの分野で活躍する藤井フミヤがタッグを組み、新しい形の青春群像をと 作り上げたドラマです。

里中ゆいか(上戸 彩)は山梨から東京の大学に進学するために上京し、入学説明会で謎の劇団・下北サンデーズに出会う。彼らの突飛なパフォーマンスに惹かれたゆいかは、 下北沢の劇場に出かける。彼の公演に感激したゆいかは、座長のあくたがわ翼(佐々木蔵之介)に認められサンデーズの一員となる。
しかし、張り切るゆいかは、劇団の厳しい現実や小劇団というディープな世界に驚かされ、稽古ではいつも足を引っ張る毎日。色んな思いを抱えた劇団員たちと の絆を深めながら、徐々に演劇の才能を開花させてゆくゆいか。それとともに、サンデーズの評判もうなぎのぼり。遂に憧れの本多劇場への登竜門ともいえるザ・スズナリ公演が 決定。しかし、明るい未来を信じるゆいかや八神(石垣佑磨)の心とは裏腹に、焦りからメンバーの心はバラバラになっていく・・・。


下北沢の小劇団が舞台のこのドラマ、ストーリー同様キャストも主役のサンデーズの面々に上記の他にカンニングの竹山隆範、森三中の大島美幸、佐田真由美、金児憲史ら、サンデーズを影ながら見守る謎の牛乳おじさん・代沢二郎(藤井フミヤ)、 ゆいかの祖父・富美男(北村総一郎)、稽古場のオーナー・下馬伸郎(古田新太)を始め、他にも木野花、蛭子能収、吉行和子など豪華で個性的なメンバーが勢揃い。
一見少々地味に思えるストーリですが、細かな部分にも色んな小ネタが仕込んであり、特に「梅が丘、豪徳寺、土曜の次はサンデーズ♪」は一度聞いたら忘れられなくなってしまう楽しいフレーズです。
個人的には、クロマニヨンつけめんの獣(けもの)臭い味とクロマニヨンとは何なのか?非常に気になるところです。


さて、いつも忙しい京本さんですが、今回はいくつもの悪条件や諸事情が重なり、いつも以上にハードなスケジュールでの出演となりました。
そんな厳しい条件で演じたのは、今をときめく大スター”大鳥ゲン”。年に主演ドラマが2本、彼と共演するためなら何を捨ててもいい、とまで願う女優が星の数ほどいる、というヨ○様も真っ青な絵に描いたようなスター。
ゆいかに目をつけた オフィスフォルテッシモの渋谷(池田鉄洋)に連れられ、サンデーズの公演をお忍びで見に来る大鳥さん。黒っぽいインナーに白いシャツを羽織り、薄いサングラスというラフないでたちの首筋にさりげなく光るアクセサリーがお洒落です。
やや斜に構えた視線や何気ない立ち居振る舞いから、スターのオーラがびんびん出てます。
最終回では、純白のスーツに身を包み、ゆいか相手に純愛ドラマを演じる貴重な美味しいシーンも。明るい髪の色と衣装もあってか、いつも以上に白さが引き立ち、台詞を話すときの喉元の白さにはびっくり。
さりげない仕草やゆいかに対する言動のひとつひとつに、我が子を見守るような優しさが感じられ、ほのぼのとしたあったかい気持ちにさせられます。

しかし、上述したように今回は特にハードだったおかげで、目元にお疲れモードが出てしまっているのが気になるところです。特に最終回は明るい日差しの下でのロケだったせいか、それが顕著に見えてしまい、出演は嬉しいけれどあんまり無理しないでー、とついつい余計なことを思ってしまったほどでした。

尚、このドラマは2006年12月22日にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンより5枚組のDVD-BOXが発売、レンタルも同時解禁となります。見逃した方は、この機会に是非どうぞ。

2006年8月31日、9月7日

Copyright (c) 2006 shion All rights reserved.