● こちら第三社会部  ●

「水戸黄門」「大岡越前」、古くは「江戸を斬る」などTBSが代々誇る時代劇枠に36年ぶりに現代劇が登場!という触れ込みでスタートした「こちら第三社会部」。
日本中央新聞社を舞台に、社内の掃き溜め・第三社会部に寄せ集められた落ちこぼれの記者たちが、熱血デスクの下様々な事件を通し奮闘、新聞記者として成長していく姿を 描いたドラマです。
天下のTBSが総力を挙げただけあって、俳優陣も個性的な演技派・イケメン(笑)がズラリ。主役の熱血デスク・ジロチョーこと清水治郎役の渡辺 謙を筆頭に萩原聖人、坂口憲二、酒井美紀、戸田恵子、麻生祐美、細川茂樹、津川雅彦、森繁久弥etc. という何とも豪華な顔ぶれ。また、豪華なレギュラーの一方で、多彩な毎回のゲストも隠れた見所でした。

社会部を舞台というと、暗く重い話を連想しがちですが、このドラマでは、決して楽しいとはいえない事件を扱いつつも、毎回巻き起こる(込まれる)騒動・事件に、ちょっぴり風刺を効かせつつ、笑いと涙でほろりとさせられるのが魅力です。

この作品で京本さんが演じたのは、社内きっての花形部署・第一社会部デスクの岩崎傭介。通称ガンちゃん。ジロチョーとは同期入社だが、その熱血ぶりが災いして苦労を重ねた清水とは対照的に、入社以来ずっと第一線を歩き続けた超・エリート。事件を見つめる視線はあくまでシビアで時には非情ともいえる言動でジロチョーと対立することも。そんな彼のトレードマークは、いつも咥えている火のついていないタバコ。
これが、場面によってはたまらなく嫌味に見えたり、お茶目に感じたりと、あの豊かな表情顔負けの味のある小道具となっていました。

最初は冷酷非道、仕事の鬼に見える彼も、ドラマが進むにつれ、部下の健闘をさりげなく携帯メールで称えたり、周りが驚くほど子供好きだったり、と意外に人間味溢れる人物であることが明かされていく、そんな部分でも楽しめる役柄です。特に終盤のとある話で見せた、タバコの変わりにガラガラを咥えて「ぱぱでちゅよー」と何とも愛らしい笑顔を振りまくお姿は、もう瞼に焼きついて離れないくらい個人的に大ツボでした(笑)。

が、この時期丁度別のドラマの撮影と重なり、 京本さんご自身の時間的な問題で出番がかなり少なくなってしまったのが何とも残念でした。
また、当初は続編の予定もあったのが、諸事情により中止となってしまったのが惜しまれます。今ならもう1回、再シリーズ化してくれないかしら、なんて(笑)。その時は、ジロチョーと取材合戦を繰り広げるガンちゃんの雄姿をたっぷり見たいものです。


主要キャスト
清水治郎渡辺 謙都築裕子麻生祐未
工藤瞬兵萩原聖人大田原雄作坂口憲二
山口林檎酒井美紀秋田 大石塚英彦
韮崎美佐枝戸田恵子仁平武志細川茂樹
水村平八郎津川雅彦岩崎傭介京本政樹

2001年10月8日〜12月17日

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