● 結婚物語  ●

新井素子氏の同名人気小説をドラマ化したこの作品。
売れっ子SF作家である原 陽子(沢口靖子)とその恋人大島正彦(陣内孝則)が陽子の父の反対、些細なことによるすれ違いなど、いろいろな障害を乗り越えながら、結婚するまでを描いたほのぼのコメディーです。番組中随所に織り込まれた、結婚にまつわるデータ、儀式の説明などドラマを見ながら結婚についても学べるという、何ともありがたい企画つきでもありました。

さて、このドラマで我等が京本さんが演じたのは、大島正彦の大学時代からの親友で今は同じ広告会社に勤務する高杉芳信。
この高杉クン、仕事は出来るのですがとにかく女好き(笑)。狙った獲物は逃がさない、とばかりに目をつけた女性には手当たり次第声をかけ、その甘いマスクと巧みな話術で悉く成功を誇る、というすぐれもの。純情でうぶな大島とは対照的で、なかなか結婚にこぎつけることができない大島に、あれこれアドバイスと称しては火種の元を提供する楽しい好青年。そんな彼が、ある日仕事で出会った陽子の学生時代からの親友・里美(松本小雪)に一目ぼれ。得意の手練手管で篭絡しようと試みるも、なかなか乗って来ない里美相手に四苦八苦。最初は遊びのはずがいつしか真剣に……。

「必殺仕事人V」降板後、初の本格的現代劇となったこの作品。当時のインタビューで『初めてだから、色々吸収するつもりで自然体でやっていきたい』と意気込みを語っておられたとおり、このドラマでは肩の力を抜いた飄々とした演技を披露する京本さんを堪能できます。
また、この頃丁度アルバムジャケット撮影のために髪を短くされたこともあり、耳が半分ほど見えるショートヘアの京本さんがたっぷり拝めるのもファンとしては嬉しい限り(^-^)。
眩しいほどのまさに100万ドルの笑顔で、女の子を口説く様子や毎週のように繰り広げられる、陣内さん扮する大島との掛け合いなど見どころ満載なこの作品。
その中で、密かな見どころといえば……。それは、どんぶり飯をかきこむ京本さんの姿(笑)。会社のデスクで、いきつけの定食屋で毎週のようにもぐもぐぱくぱく、それはそれは美味しそうにご飯を食する高杉クン。気持ちのいい食べっぷりが、実に微笑ましいです。

また、最終回では、恋愛ドラマが少ない京本さんにとっては、ある意味貴重な(笑)ラブ・シーンを披露されているのも見逃せない点です。
些細な誤解から最初は気まずかった2人が、徐々にいい雰囲気になっていく様にドキドキしつつ、里美が目を閉じた瞬間、当時、画面の向こうで相手役の松本小雪を心底羨ましい!(><)と思った女性は大勢いたはず(爆)。
その松本小雪や主役の沢口靖子、山田邦子など女性陣の”見事な極太眉メイク”や小比類巻かほるが歌う軽快な主題歌も今となっては懐かしいあの時代を感じさせてくれます。
コメディータッチからシリアスまで、87年当時の若さ溢れる京本さんの爽やかな魅力を堪能できる、今見てもとても楽しいドラマです。

1987年2月14日〜3月28日

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