● ウルトラマンダイナ  ●

大好評を博した『ウルトラマンティガ』の後を受け、ティガ放映終了の翌週に始まった『ウルトラマンダイナ』。
この作品はウルトラシリーズの中で唯一前作からの直接の続編、という形で製作された貴重なシリーズです。
ティガの世界から7〜8年後という設定で、前作『ウルトラマンティガ』の 大人の鑑賞にも堪え得るしっかりした話作りを受け継ぎつつも、そこに笑いや涙といった娯楽的要素を付け加え より自由なストーリーが展開されました。

『高校教師』以来、すっかり意気投合した赤井英和さんを口説き落とし、2人の友情物語をということで3度目の登場となったハヤテ・シン。 前作では月面基地ガロアの隊長でしたが、今作では コスモアドベンチャー部隊隊長に転属となりました。出演は奇しくもティガでの初登場と同じ第48話「ンダモシテX」。
地球破壊の目的で高性能爆弾”ンダモシテX”を持ち込んだ、チャダビン星人は自身が殺してしまった地球人ムサシ(赤井英和)の家族とともに平和に暮らしていた。 しかし、チャダピン星人を追って地球へと戻ってきたハヤテに正体を見破られてしまう。即刻始末しようとする中、かつてムサシが仕掛けた 爆弾”ンダモシテX”を呑み込んだ怪獣モゲドンが出現、二人は協力して爆弾解除の任務に赴くことになる。

京本さん自ら原案を手がけたこのドラマ。怪獣退治(爆弾解除)のハラハラドキドキ感の中に人間ドラマを織り込んだ、なかなか深い味わいの泣かせるいい話です。 クールでスタイリッシュなハヤテと、実直で地球人以上に熱い心を持つチャダピン星人=ムサシ。実際のご本人よろしく(笑)どこをどう見ても似つかない2人が、反目しあいながらも爆弾除去に繰り出し、 苦労をともにするのち、奇妙な友情が芽生えていく様子は、お決まりとわかっていても心が和みほろりとさせられます。
前作以上にカッコよさを増したハヤテの、思わずハッとするような魅力的な表情はもちろん、赤井さんらしい人情味たっぷりの泣かせる演技は必見です。
また、前半のタイトルにちなんだ笑いどころや、冒頭のスタッフの遊び心にも思わずニヤリ。
??な方は、チャダビン星人を追っておもちゃ屋に登場したハヤテ隊長の横に、さりげなく置かれた”とあるもの”(笑)を探してみてくださいね。

その他にも、ムサシの妻役でいとうまい子さん、また、スーパーGUTS隊員役で元シブがき隊のフックンこと布川敏和さんや「太陽にほえろ」のロッキー刑事でお馴染みの木之元 亮さんなど、一定の年代以上の方(笑)には 懐かしい顔ぶれが揃っているのも嬉しい見どころです。

1998年8月8日

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