子宮形態異常と不育症


 

 不育症の原因は多岐にわたりますが、今回は「子宮形態異常」について紹介します。子宮奇形の有無は子宮卵管造影検査で確認します。この子宮卵管造影は非常に痛い検査として巷で通っていますが、痛みの感じ方にも個人差があるようで、私の場合は全く痛みを感じませんでした。子宮形態異常について、手元資料を参考に簡単にまとめてみました。

 
 ヒトの子宮は胎児期に左右のミュラー管が腹腔の中央で融合して形成されるため、その融合不全つまり奇形が発生しやすい。但し、先天的な奇形であっても初潮や月経周期にも異常がないので、検査を受けるまで気が付かないことが多い。子宮奇形には弓状子宮、双角子宮、中隔子宮、単角子宮、重複子宮等がある。流産率は中隔子宮が最も高く、単角、双角、重複、弓状子宮等がそれに続く。子宮奇形の治療は子宮形成術(開腹手術や経膣手術)となるが、単角子宮や完全な重複子宮は手術の適応とならない。また子宮形成術を受けた患者の分娩は帝王切開となる。
(以下、子宮奇形のレントゲン写真)


↓弓状子宮


↓双角子宮


↓中隔子宮


↓単角子宮


↓正常子宮


参考資料

 牧野恒久, 和泉俊一郎, 杉俊隆. 総論 不育症. 新女性医学体系15 不妊・不育