Asherman症候群
手術で子宮内膜掻爬等を行った際に基底膜を削り取られた結果の子宮腔壁癒着症。

APTT
activated partial thromboplastin timeの略。活性部分トロンボプラスチン時間。主に内因系の凝固機序の測定に用いる。APTTは血友病や抗リン脂質抗体陽性例の一部では延長する。

免疫(immunity)
生体の恒常性を維持するため、自己と非自己を識別し、非自己を排除する機構。
からだは皮膚や粘膜で細菌やウイルスなどの有害な異物の侵入を防御しているが、そこを突破した異物は食細胞(貪食細胞、血液や組織中にある)が貪食して防御する。しかし食細胞が防御できないと、「免疫」が活動を開始する。
非自己を排除する免疫には、血液中の抗体(抗原にくっついて無毒化、中和する物質で、たんぱく質(免疫グロブリン)の一種)による「液性免疫」と、血液中のリンパ球が主役の「細胞性免疫」がある。
免疫に関与する細胞はマクロファージ(血液細胞の一種。貪食細胞のひとつ)とリンパ球である。リンパ球は、細胞表面の性質からT細胞とB細胞に分けられる。B細胞は異物(抗原)と結合する抗体を産出し、液性免疫に関与している。一方T細胞は、B細胞の抗体産出をコントロールする細胞、直接外敵を攻撃する細胞などいくつかのグループから成り立っており、免疫応答の調節や細胞性免疫に関与している。

液性免疫
抗原が体内に侵入すると、まずマクロファージがこれを食べ無害化するとともに、その抗原の一部を細胞表面に突きだす(抗原提示)。提示された抗原に対応するT細胞がこれをとらえ、B細胞に抗体産出の指令を出す。指令を受けたB細胞は抗体を作る細胞(形質細胞)になって抗体産出を開始し、血液中に放出する。
この際、B細胞に抗体産出を指令するT細胞をヘルパーT細胞といい、抗体産出を抑制するT細胞をサプレッサーT細胞という。

細胞性免疫
侵入した抗原を貪食したマクロファージの抗原提示にはじまり、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞のコントロールのもとに、特定の抗原とだけ反応するエフェクター細胞、あるいはその抗原と直接対抗するキラーT細胞ができて、外敵を攻撃、排除する。

Th1 Th2
ヘルパーT細胞は分泌するサイトカインによって二つに分かれる。Th1は、抗原と反応するとγーインターフェロンや
IL-2(インターロイキン2)といった細胞性免疫を制御するサイトカインを分泌する。一方、Th2は液性免疫を制御するIL-4、IL-5、IL-6などを分泌し、主としてB細胞の抗体産出を補助する。

第5因子Leiden mutation
1993年に報告されたもので、第5因子に先天的異常があり、アミノ酸配列の506番目のアルギニンがグルタミンに置き換わったもの。そのため抗凝固因子である活性化プロテインCに抵抗を示し、血栓症のリスクファクターとなる。
※この第5因子Leiden mutationですが、欧米では非常に高頻度に見られるということですが、日本ではまだ1例も見つかっていないそうです。というわけで、外来での一般的な検査項目に加えられるということは当面なさそうです。