第17回 2001参院選
  • 今回の参院選挙は、いろいろ話題をふりまいた。比例区の選挙制度が変わる。著名人の乱立。そして、小泉旋風である。結果は「自民大勝」と報道しているが、私としては「大勝」ではないと思う。
  • 前回は、選挙戦終盤に橋本総理が不利な発言で大敗した。三人区以上では自民党は勝てない。比例区でも14人だけしかとれなかった。大物の落選、新聞の事前調査で勝てる人も落選。調査が正しいのかと言う事も報道された。このときに証明された大都市の自民党離れが進んでいた事。それがわかってできなかった去年の総選挙。都市部で民主党にやられるという事も起こり、次の参院選は「森さんで勝てない」という流れになった。創価学会を母体とする公明党が連立のパートナーとしてくれていなかったら自民党自体大敗していたかもしれない。
  • 自民党は切り札として「小泉純一郎」という変人を総裁にした。CM・ポスターで話題になり、小泉グッツを売り出すほど自民党始まって以来の出来事らしい。街頭に小泉純一郎が立てば数千人の人が来る。こんなに集まるのは田中角栄以来ではないだろうか。野党が同じような事をしても目立たないし、民主党の鳩山さんのグッツを対抗してだしたが、宇宙人のようだがなぜが気持ち悪い。
  • さて、本題の選挙。今回から大きく変ったのは、比例区の選挙制度と選挙区の定数削減だった。各党は票集めに躍起になった。著名人で票を取っていこうという手段に切り替えた。かつての全国区のようなことが起こった。タレントで下位の人を釣ってもらおうという手段だ。私は、今回個人名で投票した。(著名人ではない事だけをいっておく)
  • 各党ごとにコメントを書いていく
  • 自民…さっきのいう様に「大勝」とは言えない理由は、選挙区で44議席とったが、公認・推薦候補を複数立てた選挙区はすべて一人しか当選していないことだ。95年の参院選の時、自社さ連立で選挙協力をした関係で自民は各都道府県に一名という方針だった。その前の89年で自民は大敗、社会は大勝ということもあったからだ。98年は、複数区で候補者を複数たてた所もあった。東京・神奈川・埼玉などでは共倒れ。成功したのは群馬・鹿児島だけだった。公認候補が落選し、無所属候補が当選する新潟などがあった。今回は、慎重になったらしい。公明党(創価学会)が後押ししてくれているから有利になる。複数区では、宮城・広島を除いてすべてトップ当選した。自民が弱い大阪でもトップ当選をするなど2位以下を大きく離すところもあった。福岡(改選数2)では、公認の松山氏(麻生政調会長系)と推薦の古川氏(山崎幹事長系)をたてた。古川氏と民主党の落下傘候補に僅差破れたが、古川氏が公認だったら当選していたはずだ。そして、比例区では86年の22につぐ20を獲得したが、前職が5人落選には問題がある。旧制度では当選していたかもしれない。依田・釜本氏は、95年に自民党から当選。中島氏は繰上げ当選。末広氏は選挙区から回る。水島氏は95年新進党から当選後自民党に。そのうち、前の3人は当選しておかないといけないはずである。釜本氏の落選には驚いた。今回、抵抗勢力といわれる橋本派の増加。森派の減少である。そして、比例区の有村氏だけど、新聞で初めて知ったが野田聖子氏にファンレターをだした縁で立候補したそうだ。日本テレビが末広氏の選挙運動の模様を報道は行き過ぎでひどいのではないだろうか?自民党本部の開票センターも小泉旋風に飲み込まれた。飲み物のカップはシシローのもの、当選者のバラはシシローマークにかわる。筆で書いて縦書きが、ゴシックの横書きに変わる。この場には自民党特有のイメージはなかった。
  • 民主…ここはなんといっても大橋巨泉氏だろう。1974年に自民党から誘いがあったらしいが今回はどうしたわけかでた。海外で大半を暮らす贅沢ぶりな生活をしている人が、本当にわかるのだろうか?予算委員会や本会議で質問する時が面白いだろう。生活が逆になることを覚悟でやらないといけない。比例区は8議席で、大橋氏と佐藤氏を除く6人は労働組合出身者で占める。自民党の事が言えないのは当然だ。路線があいまいになってくる。お坊ちゃまか労組か…。著名人を立てない方針でいっていたらしいが、こうなれば鳩山・管が比例区にでるという手段に出る。当選後しばらくして辞めて衆院の補欠選挙に出るということをしないと自民党に勝てないのではないでしょう。長野の失敗は痛いでしょう。
  • 公明…一部の選挙区では、危ないという報道が出たが5人全員当選というお堅い。比例区も個人名を徹底的にしていた。8人を重点候補とし、全国8地区に割った。結果は、上位に投票数で占めるという状態だ。
  • 共産…東京と比例の4人だけという結果。消費税3%に戻すより、消費税にもともと反対だから廃止にした方が良いのではないだろうか?少し曖昧さがでた。大阪・京都・埼玉では最後を民主と争い負ける結果に。比例区は政党名で書く様に、選挙広報も25人立てたが主な9人だけをあげる。公明と対称的な手法だった。得票数が、自由とあまり変わらない事だ。
  • 自由…自民党の次に一番よくやった政党だと思う。98年と同じ6議席獲得。地元岩手で接戦の末に勝利。新潟で思ってもいない当選。千葉・埼玉では接戦に持ち込んだ。
  • 社民…選挙をする度にどんどん減らしていく。現職が落選し、新人が当選するという事を繰り返している。93年連立参加後衰退をたどり、おまけに土井さんは議長になり、党から離れている間は驚いた事だろう。私自身、今回比例では田嶋・田・大田によければもう一人と思っていた。選挙区でまあ大分ではいけるでしょうと思っていたら、落選し議席は3になった。土井さんも70を過ぎ、どこまでやれるかわからないが後継党首が誰になるのか気になる。
  • 保守…今回、小泉旋風で巻き込まれそうになった。森内閣なら注目されていたが、「党首・現職大臣が落選の危機か?」と報道された。何とか滑り込みで当選したが、次の選挙が心配である。
  • 今回から定数が5削減になった。旧定数でいくと、自民が比例区で一議席増。民主党が岡山・熊本・比例で3議席増になり、鹿児島の野党系候補を入れると4議席増になる。ボーダーラインの30議席になっていたことになる。選挙制度のまた不思議なところである。

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