万里江と喜江のバルセロナ通信:102
夏時間の終りに
2008/10/26

[バルセロナ通信]目次へ[サンクトペテルブルグ通信]目次へ



夏時間が終わりました。今日(10月26日)は穏やかに晴れて、気持ちのよいお天気です。

少し前に、脳出血を起こし、8病院に受け入れを断わられた東京都の妊婦が死亡するという悲しい出来事がありました。朝日新聞(asahi.com、10月26日)によると、「病院側が転院搬送の受け入れを断った理由として最も多かったのが、新生児集中治療管理室(NICU)の不足だった。同様の事態は全国で頻繁に起きている。産科医がいたとしても、小児科の施設が確保できない関係で急患が受け入れられない実態が改めて浮き彫りになった。 」とあります。この記事では都内のNICUのベット数についても触れていますが、大変少ないように思いました。

子どもの数が減っていることに危機感を抱き、子どもを増やそう、子どもを育てやすい環境を作ろうという動きがしばらく前からあるのは、皆さんご存知だと思います。育児休暇や出産奨励金、医療費の無料化など。でも、これらは生まれた後の話です。それよりもというか、同時に、安心して妊娠期を過ごし、出産を迎えることができるように、産科医、小児科医、看護師の確保を考えるべきではないでしょうか。
万里江も生後1日半ほどで感染症でNICUに入りました。「重篤」という最初の診断は覆り、それほど長く入院することもなく元気になったのですが、これも出産した病院にNICUがあったからだと思います。万里江が生まれたのは年末で、なぜか出産する人が多く、こんな時に人手不足から新生児の様子がおかしいことに気がつかない、或いはしかるべき施設に搬送しようとしても満床を理由に断わられるという状況であったら、助かる命も助からなかったかもしれません。

病院勤務医、看護師の勤務状況は大半が非常に過酷です。でも、勤務状況が過酷というのは、何も医療の分野に限ったことではなく、大方のサラリーマンの働きぶりも尋常ではありませんし、自営業の場合も、景気がいいならともかく、そうでないならやはり相当の時間を仕事に費やしているに違いありません。
少子化も医療事故も過労死もホームレスも、様々な問題はつながっていると思います。事態を改善するためにはそこだけを見てもだめなのではないでしょうか。全体を、長い目で見ないと。
佐藤 喜江

- - - - - - - -
[喜江さんへメール]

[バルセロナ通信]目次へ