第2回  冷やすの?温めるの?
 施術している際によく、「これは冷やした方がいいの?温めた方がいいの?」と質問される事があります。実際「痛みが出てきたのでお風呂で温めたらかえって疼いてきた」とか「冷湿布を貼ったら余計に痛くなった」など経験された事のある方も多いのではないでしょうか?今回はその事についてお話しようと思います。

 先ず、どうして何処かが痛くなった際冷やしたり温めたりするのでしょう?それは血液の流れと大きく関係するのです。
例えば、捻挫や肉離れ、打ち身などが起こった時その部分はその損傷の程度によって多かれ少なかれ腫れが生じます。腫れが生じる即ち炎症が起こるのです。

<炎症とは発赤・発熱・疼痛・腫脹・機能障害を5つの主徴とする症状です。その原因は外因(外からの影響による物)、内因(自分の身体の中の異常による物)に分類され、さらに外因は生物性(細菌感染等)無生物性(物理的刺激等)に分けられます。ここでは無生物性炎症についての話をします。>

 その炎症の正体は血液(特に白血球)がその損傷した場所を修復する為に集まってくる事によって起こる生体反応なのです。したがって損傷の程度が大きければ大きいほど炎症症状は強くなります。だから捻挫等が起こった場合炎症というものはその修復に必要なものなのです。
がしかし、必要以上のものはその炎症症状を強くしその回復に障害を来たしかえって治癒を遅らせてしまいます。拠って必要以上の症状を抑え治癒を早める為に受傷直後はその患部を冷やすのです。(冷やす事によりその部の血流を抑制する為)
 そして、ある程度の時期が過ぎ症状が安定してくると、その部の血行をよくする為に温めるわけです。(温める事によりその部の血流を改善させ集まっている血液を引かせる為)

 以上のことにより、急性期(受傷直後)には冷やし、慢性期もしくは数日後症状が安定してくると温めるというのが基本になります。
 しかし、その時期を見極めるのが一般の方には難しかったり例外の場合もあるので、正しい処置を行うには専門家にアドバイスを受ける事を進めます。