ところでぬいぐるみが好きである。
学生の頃はバイトだった。ぬいぐるみショー。お芝居もやったし、パレードもやった。着た状態で遊園地のアトラクションに乗ったこともある。
あの中から子供を見ると、大きくふたつに別れる。ひとつは信じている子で、これは多少胸が痛い。もうひとつは中身を確認して勝ち誇りたくてうずうずしているタイプだ。こっちは多少タチが悪い場合がある。信じてないならたからなくても、と思うのだが、あんなもん、中はどっかのおっさんが入ってんだろ、という子供は最初から寄ってこない。いちばんヤなタイプだ。
その頃から好きだった。自分が何度か着たヤツのキャラクターキーホルダーを自分で買い求めたりしたし。ま、記念品だよな。
でも、最近はそうでもない。以前は酔っぱらうとよく助けてきたものだが、もうずいぶんやってない。引き取り先を使い果たしたからか、それとも助けてほしがってないのか。
ペットと一緒で、自分の家にたくさんあってもしょうがないのだが、二、三体いる。時々酒の相手をさせたりする。愚痴った挙げ句に頷かせたりする。ヤダヤダ、こんな30。
何と言うか、こういうのは男の子にしてみればイメージの段階でノーサンキューなはずのモノだ。転機となる場所がなかったわけではないが、そこが今や迷える羊牧場と化している今となっては糾弾するのは無意味だろう。
おそらくは、なごみの条件を満たしているのだと思う。ペットほど手間もカネもかからない。毎日帰る必要もない。散歩にもいかない。鳴かないし噛まないし、便利だ。たまに洗濯してやるだけでごきげんだ。主にボクが。
30にもなって何してるんだろう。こんなに役に立つブツを隠し持ってるなんて、ヤな大人になったものだ。あえてもう一度、宣言してみるか。
ぬいぐるみが好きだ。
ただ、言っとくけど、一緒には寝ない。
いや、マジで。まーじーでー。
2001/9/11