この劇団は再演に不安のある劇団なのだ。というと、ここが特別なようだが、そうではない。つまり再演というのは、愛着があればある程、不安なのだ。
最近かたちを変えてきた演出にマッチさせつつ、エッセンスをコラージュしていく。こういったカタカナが良く似合う劇団だ。そのかわりに、眼に見えて楽しめる部分、つまり、誰がやってもある程度のクオリティーは確保できる土台がいつもあやふやだった。そのせいで、ここぞ!と言う時にとんでもない失敗作を送りだしたりもした。
でも、今回のクエストは違う。過去の公演時のテイストを残しつつ、今のスタイルを盛り込んだ本編は、多少クドい程の味付け&盛り付けで迫ってきた。そのクドさが鼻につく瞬間が無かったとは言わないし、実際ところどころで「もういいだろ」と思ったし。ただ、大概はその次のシーンにはオチあるいはツッコミが用意されていて、一安心、となる。
また、ウリのひとつであるダンスの振り付けには、最近、かつてクエストのスタイルをカタチにした男・佐々木重直が帰ってきていて、きちんと思想のあるダンスを見せてくれるようになった。カッコいいだけのダンスと、世界観を持ったダンスとでは全然違うのだな、と思わせてくれる。
ただ、今回の冒頭からビシっと舞台を引き締めてくれたのは佐藤仁美。このヒトはボクがクエストを観るようになってからはずっといるヒトで、何だかんだと欠かせないキャラだったのだが、今回は良かった。こんなに良かったのは初めてかも知れない、ってくらい。ダンスでセンターについて、釘付けになってしまった。自分の視線の行き先に、自分でびっくり。何か覚悟を決めたのだろうか。
冒頭にも書いたが、今回は再演である。初演は観てない。面白かったらしい。ボクはその評判を受けて、第三回の公演より見始めたのだが、再演はわりと早かった。多分今回のは三回目か四回目だ。基本的にはストーリーとかはあまり関係ないので、再演であること自体はそれほど気にならない。つまり、他の劇団ほどは、ということだが。
今、過去の作品からリクエストを募って「Re-Quest」というシリーズを行っていて、今回はその一環なのだが、ボクはやっぱり最初に観た「Twelve」が観たい。一度も再演されてないし、キライなのかな? 今のトクナガヒデカツなら、多分大丈夫だと思うのだ。次も観に行こう、今度は階段席にならないように。