「MARKET」についてなのだが、まずはカスタネッツについて。
幸運にもデビューから聴いているのだが、その、初期の三枚のシングルが無かったらきっとここまではハマってない。つまり、「ふゆのうた」「忘れないからね」「だいじょうぶ」だ。特に「忘れないからね」には泣かされた。マジで。ちょっと引用する。
生まれ育った街を歩いて
僕の両手の下をくぐって
ここで初めて泣いたのよって
ひみつみたいに言ったこと
忘れないからね
忘れないからね きっと
きっとて! はっきり言えば忘れるわけが無い。こんなかわいい女の子のコトを、忘れられるわけが無いだろう。こんなステキな風景をみせてくれるバンド、そうはないぞ。
さて、「MARKET」はそんなカスタネッツのサード・アルバムに当たる。とても、ステキな曲が並ぶアルバムだ。そしてまた、とてもステキな歌詞も並ぶ。バンドを一歩前に進めようという意志と、シンガー・ソングライター的な資質との両方を全面に出したアルバムなのである。
今現在、活動休止状態になっているのは、まさにそのせいかも知れない、と思ったりもする。ボーカルで、実質作詞作曲担当の牧野元はソロ・シングルとしてカセットを出した。カセットのみて。わざわざ買いに行きましたよ。それを聴いた感じは、まさにシンガー・ソングライター的なイメージだった。まだまだ詰めは甘いと思うけど、それは理解した上での“カセットのみ”なんだろうから。
さて、本題。
このバンドはデビュー当時、よくスピッツなどと比較されていたような気がする。おそらくイイ歌をバンドで作るという姿勢のせいだろうか。ボクは全然違うと思っていたけれど。
スピッツは一言でいえば、現実に根ざさない希望、つまり妄想を歌うバンドだ。比較するとカスタネッツは現実に根ざした希望を歌うバンドだ。だから悲しかったり、絶望に近い感情を抱いたりもする。別れてしまった彼女と、しばらくは夢の中で逢おうと愛情をあらわにしてみたりする。
そんな現実直視型の希望が全開になったこのアルバム。七曲入りで税込み2,039円。値段はどうでもいいんだけど、この短さは意外と大事。ボクはこのアルバム、ほとんどソラで口ずさめてしまう。これで12曲とかあると、こんな印象深い一枚にはなってなかったかも知れないし。
今はロックバンドっぽいバンドがかなり売れてきているので、居場所がないのかも知れない。でも、だからこそ今、いて欲しい。ライヴも観たいなあ。パワステで聴いた「モノクローム」は、とてもじゃないけど忘れられない。でも、もうあのメンバーでのライヴは観られない。
・・・ライヴ盤が出ればいいんだな。楽しみだ。いつだろうか。
契って候-The Castanets Official Homepage