「沖田と沖田とあと沖田」あらすじ
某中堅小劇団。主宰兼座付き作家がある日、座付き役者に尋ねました。
「こんど新撰組やりたいんだけど、なんかやりたい役ある?」
まず看板の男優が言いました。
「あー、俺、沖田総司やりてえな。いいよね、薄幸の剣士。」
そうすると看板の女優も言いました。
「あ、それいい! あたしも沖田総司やりたい! いいじゃん、幕末純情伝みたいにさ。」
座付き作家はそれを聞いて困りました。まあ、冷静に考えれば男芝居です。女優をメインにすえるのも悪くはないかも知れません。ただ、その女優も言ったように、「幕末純情伝」みたいだ、という評価を受けるのは作家です。悩みどころです。
沖田の魅力について語っているその席を外れ、少し作家は考えてみようとしました。そうすると寄ってきた第三の男。
「○○さんはああ言いますけど、やっぱ沖田って象徴みたいな部分あるじゃないですか。あんまりイメージ違うとまずいと思うんですよね。あの人より、絶対俺の方が沖田のイメージに近いし。ねえ、絶対沖田は俺にしとくべきっすよ。」
・・・と、まあ、こんな感じの冒頭から始まります。基本的には小劇団のインサイド・ストーリーで、当時の自分の精神状態が思い知らされます。このあと座付き作家は、「あーもーっ! いーよ、全員イメージ通りの沖田にしてやらあっ!」と叫びまして、劇作作業に入ります。当然のように役者達から茶々、というか意見がまた入ったりしつつ、結果の大団円に向かうわけですが・・・
その劇作の中身でつまづきました。
いや、考えてるオチからすれば、その劇中劇に説得力がないとどうしようもないわけですよ。イマイチ良くなかったんですよねー。また、先をキッチリ決めて書くヒトではないもので、大団円の部分だけ書いておく、と言うわけにもいかず。
あえなくボツになりました。
あるいは保留になりました。
そのまま今にいたるのですが、タイトルは気に入ってたんです。ボクにはあまりネーミングのセンスがなく、いつもタイトルはダサダサ/ベタベタな感じのを泣きそうになりながらつけてたんですが、これはめずらしく響きが気に入ってました。いつか完成するのか、それとも再度手を付ける日も来ないのか。
やる気にならないと書かないからなあ。あ、ちなみにやる気の80%は役者が起こさせてくれてました。今は座付きもヘチマもないので、残りの20%を振り絞らねばなりません。あうっ。