やさしさの秘密
ご近所に菫とお誕生が数ヶ月しか違わない女の子がいて、
親子で仲良くさせてもらっています。
菫がハイハイをはじめた頃からのお付き合いで、
週に1度タウンセンターに出かけたり、
お宅にお邪魔させてもらったりしているのですが、
そのママ・・・育児のドタバタの中でもいつも穏やかで、
笑顔がやさしくて、まさに癒し系なんですよね。
一緒にいると肩の力がぬけるっていうか・・・
不思議な包容力のあるひとです。
そんな彼女とひょんなことから二人目についての話になり、
私が自身の不育症の治療のことにふれると、
「実は私にも持病があって、1人目の子を死産しているのよ・・・」
と話してくれました。
彼女は10代後半から膠原病を患っていて
今も薬が手放せない状況にあるとのことでした。
その病気の影響で最初の子どもを亡くされ、
2度目の妊娠はアスピリンとプレドニンを服用しての出産だったそうです。
出産後の今も検査の数値が安定せず、
母子共に危険を背負うことになる第2子出産については
その実、相当に悩んでいるようでした。
そばで元気に走り回る我が子を見て
「あの子が無事に生まれてきたのは、ほんとに奇跡なんだよね・・・」
微笑みながらさらりと言いました。
その一言がいつまでも耳から離れません。
その言葉にどれだけの想いが託されているかと思うと、
胸が苦しくなります。
そして、はじめて彼女の大きなやさしさの秘密を知るのです。