第9回 KSD問題と参院比例名簿
  • 久しぶりに書くが、最近政界ではKSD問題が毎日の様に言われている。古関理事長の逮捕に続き、小山孝雄参議院議員が逮捕されるまでに発展した。額賀大臣が疑惑で責任をとって辞任。小山議員が議員になる前は村上正邦議員の秘書をしていた。村上氏も疑惑を持たれ、参院議員会長・参院憲法調査会長を辞任。私が気になったのは参院比例名簿順位の事だ。
  • 参院は選挙区と比例区にわかれている。比例区はかつての全国区である。石原慎太郎氏が昭和43年の選挙で約300万票近く獲得してトップ当選。知名度タレントがでれば当選するこ現象がみられた。それが嫌という事で今の比例拘束式名簿になった。これにすると、個人名で投票していたのが政党名を書く方式になった。政党名を書くとなると個人の存在が薄くなる。支持団体の数や名前が多ければ名簿上位になるようになった。ここ数年、この名簿でもめる事が多くなった。
  • この問題が大きくなったのが久世問題だった。この小山議員もだ。野党は指摘するが、自分達も言えない。1995年の新進党(当時)は、公明、新進、民社、日本新党などが合併したてだった。公明党出身者は上位に占めていた。最低でも15位だった。名簿が決まったのは告示日の前夜だったという。そのとき、選挙調整で比例区にまわった井上計議員の名簿順位が低いという事で辞退した。この議員は民社党出身で、愛知選挙区からは公明党系の新人がでるとの事で、共倒れを防ごうという意味もあったのだろう。自民党も釜本氏が11位、橋本聖子氏が13位と順位が低いといわれた。新進党は18議席、自民党は15議席。新進党自体がないからどこに責任をおし付けたらよいのかわからない。民主党もいえない。1998年の参院選挙。名簿を見ると1位は元NHKの小宮山氏、2位が選挙調整から比例にまわった今井議員、その後労働組合出身系の候補者が続く。12位に野球評論家の江本氏(ここまでが当選。本人も当選するかわからない)。そこでもめた人が中尾則幸氏だ。前回は北海道選挙区から出馬して当選。その後、社会党・平和市民から民主党に入ったが、同選挙区の定員は4議席から2議席に半減。北海道は旧社会党が強いといっても共倒れする可能性がある。峰崎直樹議員と競合した為の調整だろう。名簿2位の今井氏との対応の違いだ。
  • 選挙制度が変わる。参院比例区の投票の仕方だ。候補者個人名でもいいし、政党の名前を書いてもいいとの事。開票作業をする人が大変な事になる。得票は政党票と個人票を合算することになる。矛盾点も多くなる。今までの政党側の順位決めの混乱は無くなるが、候補者の選挙運動が大変になる。候補者自体のバックが強いといいが、弱い候補者を当選するかもしれない。

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