第32回 突然の辞職・更迭
  • 1日の間にこのようなことが起こるのには驚いている。夕方には大橋巨泉参議院議員が突然の「議員辞職」会見、深夜には田中外務大臣・野上事務次官更迭という事態。さすがにテレビの司会者として注目度・視聴率を計算できる男がこのようなことを考えていなかった筈だ。
  • まず、大橋巨泉氏から。去年夏の参院選に民主党から比例区に立候補し民主党の1位で当選した(非拘束式名簿による)。結果としては約41万票を獲得したが、舛添要一氏の様な圧倒的な得票ではなかった。本人は「100万票と考えていた。」とコメント。テレビの司会者としていた巨泉氏がセミリタイアという形で持っていた番組をすべて降板し、自由自適な生活をしている。一般のサラリーマン・公務員は定年というものがあるが、芸人は自ら辞める以外は死ぬまでやらないといけないのが通常である。日本に帰ってきた時に、テレビ番組にでてコメンテーターなどをやっている。こんなワガママ人に国会議員をさせようという民主党菅幹事長が外国まで行きお願いし、出馬会見は大掛かりだった。かつて、ニュースステーション10周年企画で久米さんとトークしている時に、「昭和49年の参院選に自民党橋本登美三郎幹事長から出馬要請があった。」と話していた。
    大橋氏が議員となり、予算委員会で質問したのはNHKで中継されていた。「show the flag」に関するものでこの言葉が一躍注目された。本人が「実際やって見てこんなに難しいとは思わなかった。」というぐらいだからさすがの名司会者も困ったのだろう。そのあたりから、民主党について批判をし始めた。造反や執行部に批判的な行動に出た。
    民主党の路線がはっきりしていないのがそもそも問題である。政界再編で共産党以外の保守・革新・中道がごちゃごちゃになりその典型なのが民主党である。野党なのに小泉親衛隊な行動にでているし、野党第1党としてだらしない。かつての社会党のような脅威はない。労働組合を支持母体にしており、鳩山代表は「いい所のお坊ちゃま」で親族にブリジストンだから、経営者寄りである。菅氏は市民運動家からのスタートだし、横路氏は2世で社会党出身である。水と油の様な状態だ。民主党の若手議員がこれから背負って行くがどうも保守的であるのが心配である。
  • もう、こちらの方がびっくりである。「どうして真紀子さんを更迭するの?」という思いだ。そもそも、朝日新聞のNGO代表の大西氏の発言内容を書いたことである。「お上が・・・」という内容だが、これを書かなければ今回の様な問題になっていない筈である。朝日新聞もこの経緯を述べるべきである。田中大臣・野上次官両者更迭、鈴木宗男氏は議運委員長を辞任とこの問題に関係している3名が辞任というのはおかしい。うそつきだけ辞める必要がある。この問題をはっきりさせるべきである。
  • 小泉総裁を誕生させた真紀子氏。小泉・真紀子コンビで支持率は過去にない数字である。小泉氏の公約が破られてしまった「一内閣一閣僚」のことである。外務省は松尾氏の外交機密費問題から始まり、世間の目は外務省に向いた時に真紀子さんを大臣に起用した。日本初女性の外務大臣として注目された。中国の関係も少し悪くなっており、中国と深い関係のある真紀子氏だから関係修復にも期待されていた。しかし、少しワガママな所がある。就任早々から「外務省は伏魔殿。副大臣を通じて内閣に人事圧力をかけている」と外務省を痛烈批判し、官僚と対決姿勢。事務次官人事でも加藤現駐米大使を次官に起用したかったのに、官邸主導の野上氏を次官に充てた。更に官僚との対立が激しくなる。
    官邸サイドにも強敵がいた。福田康夫官房長官である。共に親の代で「角福戦争」をやっており、子どもの代まで続いている気がする。
  • 真紀子氏と官僚の対立で外交自体がうまくいかない様になってきた。アフガン復興問題で緒方氏元国連難民高等弁務官を日本代表に起用、外務大臣の役割がわからなくなってきた。NGOの出席問題で鈴木宗男氏の圧力問題で、大臣の強権で出席を認めた。今回の更迭劇シナリオがあるのでないかと思う。後任に緒方氏の名前がでているからである。現在国会議員の中で外務大臣になるような人はいません。
  • 大臣を辞めさせられた真紀子さん、1月から新しく外務政務官になった松浪健四郎議員は、緒方氏よりアフガンに関しては詳しい人です。大臣の力になると思っていたのですが。

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