第15回 衆院と参院の区別をつけよ!
  • 今回の参院選の候補者をみて驚いている。比例区の選挙制度の変更に伴いいわゆるタレント候補が乱立していることが目立つことは私達にもわかっている事だ。忘れてはいけないのが「元代議士」という肩書きを持った候補者なのである。タレントも元代議士も知名度があることはわかっている。私が注意しなければならないのは、この2つである。
  • タレント候補といわれだしたのが、昭和43年(1968年)の石原慎太郎・青島幸男が出馬した選挙だといわれている。石原氏は300万票近くを獲得しトップ当選をしている。これ以降、タレント議員が誕生している。挙げていくと、田英夫・山東昭子・山口淑子・志村愛子・八代英太・宮田輝・横山ノック・扇千景・畑豊・中山千夏・立川談志・今東光などである。いわゆるタレント候補者が上位を占めるようになる。タレント候補者以外の上位当選者を見ると、鳩山威一郎・市川房枝・美濃部亮吉・江田五月など知名度のある人か組織がしっかりしている人が有利である。「全国区」を「銭酷区」と称された。これが、あってから比例区に変更されタレント議員は苦しくなる事がわかる。組織で戦うことになるからである。久世問題などがあったために今回のような制度になりこういう現象が起こってしまった。政党は、タレント候補者発掘に奔走した。私としては、その人の特色(専門分野)を活かすのにはいいと思う。但し、国会を第一に考える事ができないといけない。この選挙制度で残念な事がある。有馬元文部大臣のような学者という肩書きを持った人である。このような優秀な人材を切り捨ててはいけない。
  • 私は元代議士の方が許してはいけないのだ。一度、国会議員という肩書きになったら何でもいいから戻りたいという考え方はいけない。また、知名度があるという考え方もある。政党にとっては、「優秀な人材を落としてしまい早く国会に戻してあげたい。」という気持ちがあるのだろうか?こういう事をすると、衆院と参院の区別がつかず「参院が衆院のファーム化」になりかねない。国政選挙に初当選するまで何度も立候補する人がいるが、これはいいと思う。一度、当選したら最後までその院でやりとおすべきだ。落選してしまい、別の院の選挙にでるような事は駄目だ。衆院と参院の性質は違う。国会議員という肩書きを欲しいからやりたいのなら出馬を辞退してほしいし、有権者はその人にいれない様にしないといけない。最近は、選挙調整で参院にまわる人も増えている。
  • ここ数年の国政選挙でわかっているものを以下の表にまとめた。

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衆院と参院
2001年参院選
当落 氏名 政党 選挙区 理由 備考
落選 玉沢徳一郎 自民 岩手 2000年衆院選落選  
落選 上田  哲 無所属 東京 1993年衆院選落選 参院2期
当選 山口那津男 公明 東京 2000年衆院選落選  
落選 関山 信之 民主 新潟 1996年衆院選落選  
当選 山本 孝史 民主 大阪 2000年衆院選落選  
当選 桜井  新 自民 比例 2000年衆院選落選  
当選 草川 昭三 公明 比例 2000年衆院選落選  
落選 三沢  淳 保守 比例 2000年衆院選落選  
落選 高見 裕一 民主 比例 1996年衆院選落選  
落選 錦織  淳 民主 比例 1996年衆院選落選  
当選 西岡 武夫 自由 比例 2000年衆院選落選  
当選 広野 充士 自由 比例 1996年衆院選落選  
落選 古賀 敬章 自由 比例 1996年衆院選落選  
落選 岡崎 宏美 新社会 比例 1996年衆院選落選  
落選 小森 龍邦 新社会 比例 1996年衆院選落選  
落選 和田 静夫 自由連合 比例 1993年衆院選落選  
落選 上草 義輝 自由連合 比例 1993年衆院選落選  
落選 川島  実 自由連合 比例 1996年衆院選落選  
落選 白川 勝彦 新党・自由と希望 比例 2000年衆院選落選  
2000年衆院選(任期途中くら替えのみ)
当選 馳   浩 自民 石川1区 任期途中くら替え  
落選 平田 耕一 自民 三重3区 任期途中くら替え  
落選 奥村 展三 無所属 滋賀3区 任期途中くら替え  
当選 塩崎 恭久 自民 愛媛1区 任期途中くら替え=選挙調整 衆院1期
1998年参院選
当落 氏名 政党 選挙区 理由 備考
当選 田名部匡省 無所属 青森 1996年衆院選落選  
落選 中村  力 無所属 岩手 1996年衆院選落選  
当選 簗瀬  進 民主 栃木 1996年衆院選落選  
当選 浜田卓二郎 無所属 埼玉 1993年衆院選落選  
当選 輿石  東 無所属 東京 1996年衆院選落選  
当選 田中 直紀 無所属 新潟 1996年衆院選落選  
落選 星野 行男 無所属 新潟 1996年衆院選落選  
当選 若林 正俊 自民 長野 1996年衆院選落選  
当選 山下八州夫 民主 岐阜 1996年衆院選落選  
当選 松田 岩夫 無所属 岐阜 1996年衆院選落選  
落選 浦野 烋興 自民 愛知 1996年衆院選落選  
当選 佐藤 泰介 民主 愛知 1996年衆院選落選  
当選 江田 五月 民主 岡山 1996年衆院選落選 参院1期
当選 柳田  稔 民主 広島 1996年衆院選落選  
当選 松岡満寿男 無所属 山口 1996年衆院選落選 参院1期
当選 弘友 和夫 無所属 福岡 1996年衆院選落選  
落選 中島 章夫 民主 比例 1996年衆院選落選  
当選 森本 晃司 公明 比例 1996年衆院選落選  
当選 日笠 勝之 公明 比例 1996年衆院選落選  
落選 千葉 国男 公明 比例 1996年衆院選落選  
当選 岩佐 英美 共産 比例 1996年衆院選落選  
当選 渡辺 秀央 自由 比例 1993年衆院選落選  
当選 月原 茂皓 自由 比例 1996年衆院選落選  
落選 井出 正一 さきがけ 比例 1996年衆院選落選  
1996年衆院選
当落 氏名 政党 選挙区 理由 備考
当選 萩野 浩基 新進 比例東北    
当選 森山 真弓 自民 比例北関東 任期途中くら替え  
当選 北村 哲夫 民主 比例南関東    
落選 石原健太郎 無所属 福島1区 1993年衆院選落選=くら替え 衆院2期
落選 最上  進 自由連合 群馬2区 1989年参院選落選  
落選 村田 誠醇 民主 東京8区 1995年参院選落選  
当選 深田  肇 社民 埼玉6区 1995年参院選落選 比例北関東で当選
落選 山東 昭子 自民 神奈川6区 任期途中くら替え  
落選 稲村 稔夫 新社会 新潟2区 1995年参院選落選  
落選 古川太三郎 民主 福井1区 1995年参院選落選  
落選 吉川  博 自民 愛知9区    
当選 肥田美代子 民主 大阪10区 1995年参院選落選 比例近畿で当選
当選 中村 鋭一 新進 大阪14区    
落選 翫  正敏 新社民 広島2区 1995年参院選落選  
1993年衆院選
当落 氏名 政党 選挙区 理由 備考
落選 石原健太郎 無所属 福島1区 任期途中くら替え 衆院2期
当選 山岡 賢次 自民 栃木2区 任期途中くら替え  
落選 最上  進 無所属 群馬3区 1989年参院選落選  
落選 寺内 弘子 無所属 埼玉5区 1989年参院選落選  
当選 藤井 孝男 自民 岐阜2区 任期途中くら替え  
落選 高井 和伸 日本新 岐阜2区 任期途中くら替え  
当選 小池百合子 日本新 兵庫2区 任期途中くら替え  
当選 松岡満寿男 無所属 山口2区 1989年参院選落選  
当選 細川 護熙 日本新 熊本1区 任期途中くら替え