第14回 自民党総裁選
  • 今回の自由民主党の総裁選挙を党員でなくても面白い。オープンされた形になっているからだ。森総裁の時は、小渕総裁が倒れ緊急事態だが密室で決まってしまった事は残念だ。この夏の東京都議会選挙・参院選挙は森さんで勝てないという空気が永田町に流れた。
  • 「みんな選挙に勝ちたい。」のは皆同じである。このままでは大敗してしまうと危機感を持ち始めた。推薦人の人数を30人から20人にして立候補しやすい環境を作った。地方票もこれまでそれぞれ1票を3票に増やした。地方や党員の声を受け入れる体勢を作ったかもしれない。オープンにしないといけない。
  • 二度目の登板になるのか橋本氏、「変人」の小泉氏、亀井氏、ようやく20人が集まった麻生氏の4人が立候補した。麻生氏は小さい河野グループだけでは推薦人が集まらない。20人のハードルだったので今回の制度変更で助かったかもしれない。
  • 完全に力と数でいくと橋本氏有利だった。対抗馬の小泉氏は三度目だが、今回は違った。YKKの盟友山崎拓氏と加藤紘一氏がグループの人数が少ないものの応援してくれた。そこまでは、一般に考えられる事。強力なサポーターがついてしまった。田中真紀子氏である。
  • 真紀子氏の父は言わずと知れる「田中角栄」である。最大派閥田中派のドンとして一時期を築いた。首相退陣後も力を持ちキングメーカーとして振るったのは事実。その系統が橋本派である。そういうと怒られる。田中派が田中氏の脳梗塞入院でほぼ政治生命をたたれた頃、同時進行で田中派分裂騒動があった。いわゆる経世会(竹下派)である。ほとんどの議員は参加。残ったのは二階堂進、山下元利、林義郎氏などが二階堂グループを結成した。真紀子氏が代議士になってから、ずっと無派閥で通している。ちなみに、夫の直紀氏は堀内派に属している。父を一番横で見ていたからだろう。自民党・派閥の良い事、悪い事をすべて知り尽くしている。発言を聞くと、人を笑わす力とボキャブラリーが豊富である。父親譲りかもしれない。
  • 小泉氏は国民には人気があるが、これが永田町ヘ行くと異なってしまう事が多い。おかしな論理が働いてしまうからだ。支持団体・派閥力学が作用してしまう。支持団体から行くと橋本派が有利である。地方票も同じことが言えると考えたらしい。地方票はそれぞれに任せることになった。アメリカの大統領選挙のように1位の候補にすべての票になる総獲り方式、比例区のようにするドント方式などがあって、各地の特色がでた。
  • もし、地方票が1票ずつの割り当てだったら、事態は大きく変わっていただろう。かなり接戦だったかもしれない。ここが執行部の読みが甘かったのではないだろうか。組織票からいくと橋本氏有利だから。
  • 橋本派の若手も造反するなど、危機感を持っていた。典型的だったのが福岡の結果だった。麻生氏の地元であるので有利だった。小泉氏は盟友山崎拓氏がいる。橋本氏だって古賀幹事長の地元でそれだけの支援はある。亀井氏は秘書かどうか今はわからないが武田氏が福岡から衆院選立候補した。ここで勝利したのが小泉氏だった。結果は接戦だった。

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